KAMINE 社長ブログ

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時計製造の聖地、ヴァレド・ジュウ「ジュウ渓谷」とラショードフォン

スイスの伝統的製造技法にローマの感性を吹き込んで生まれ出るブルガリウォッチの数々。

 
 
 
 
 
 
早朝から訪問したラショードフォン近く、セージュレニエにあるブルガリの時計ケースの製造工場。

 
 
 
 
 
 
 
 
様々なブランドの名機を製造していたこの工場は、近年ブルガリに買収されました。
ブルガリのケースデザインはローマのエッセンス“建築”から想起されたものが多く存在します。
数日後に訪れたローマを見て、デザイン哲学の奥行きの深さに感銘を受けました。


 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ニューシャテルにある、ブルガリ内 ブルガリウォッチデザイン室の総責任者、ファブリッツォさん。

 
 
 
 
 
 
 
 
イタリアのカーデザイナーからの転身で、彼がひとつひとつにしっかりしたコンセプトを持つデザインを起こし、検証を加え、練り上げていきます。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
昨今のブルガリの人気を博す自信作 オクトシリーズ

 
 
 
 
 
 
 
 
このケースは膨大な手間と時間がかかっています。
何故なら、110もの面を持つシェイプがなされているからです。
オクトシリーズはケースサイズも日本人向けの38㎜が出て、最近のブルガリの主力商品。
 
油圧洗浄されながら切削加工され、時計の本体ケースは気の遠くなるような工程を経て最終完成となり、ムーブメント組込み、機密性のテストを経て、次の工程へ進みます。

 
 
 
 
 
 
 
 
ケースは鍛造で、密度濃く仕上げられ、後年のキズ取りや研磨仕上げにも十分 対応可能な堅牢さを有します。

 
 
 
 
 
 
 
 
次に訪れたのが時計の「顔」を製造する文字盤工場「マニファクチュール ドゥ カドラン」

 
 
 
 
 
 
 
 
ここもかつてダニエルロート・ジェラルドジェンタを中心とした数々の歴史的モデルの文字盤を製造していた名門ファクトリーです。
ズラリと並んだ文字盤の中には、懐かしいものも一杯(歳を感じます・・・)


 
 
 
 
 
 
 
ベストセラー“オクト マセラティ”モデルの文字盤

 
 
 
 
 
 
 
 
ブルガリの時計の文字盤は、デザインが建築的発想からくるイタリアンテイストを持つ為、大変複雑な手間をかけて自社生産されます。
美しい青いラッカー塗装は、30回以上の吹付け作業や植字で完成に最低3日以上を要します。
文字盤が完成後、ムーブメントが組み込まれ、針がセットされた状態。

 
 
 
 
 
 
 
 
長さの違う3つに分かれた秒針が示す秒表示がユニークだったダニエルロートの名作トゥールビヨンの文字盤。

 
 
 
 
 
 
 
 
現在ブルガリの工場でこれらのハイコンプリケーションは更に手間をかけ、グレードアップし、製造されています。
黒蝶貝とクロワゾネ、エナメル、ダイヤモンドで装飾された美しいレディス トゥールビヨンのダイヤル。

 
 
 
 
 
 
 
 
この時計は、10/17(土)18(日)のグランドコンプリケーションウォッチフェアでカミネに来ます。
 
今回、最も楽しみにしていたジュウ渓谷のルサンティエにあるマニファクチュール オートオロジュリー
(ハイエンド ムーブメント ファクトリー)

 
 
 
 
 
 
 
 
この地域には、100年以上前からの時計工房が点々と存在し、ジャガー・ルクルト、オーデマ・ピゲ、フレデリック・ピゲ(ブランパン)などが代表的なメゾンとして軒を構えます。
その中のひとつがここ、古い方の建物はかってダニエルロートが作業していた有名なファクトリー(アトリエ)で、今は完全にブルガリのハイコンプリケーションのみを製造する工房となっています。
 
いわゆる「ヴァレドジューの神の手」による磨きが行われる工房がここ。


 
 
 
 
 
 
 
このような微細なパーツが丹念に製造され、それが組み上げられムーブメントになっていきます。
 
小鳥の骨のようなどんな小さなパーツにも、針のようなヤスリで何時間も磨きをかけ、最後は“木”で磨き、光沢を出していきます。

 
 
 
 
 
 
 
 
美しいムーブメントが完成する迄に気の遠くなるような時間をかける作業が続きます。


 
 
 
 
 
 
 
磨き上げられた微細なパーツの数は、コンプリケーションには約300から多いもので1000に達します。

 
 
 
 
 
 
同行した日本人スタッフが同じ作業にトライ。

 
 
 
 
 
 
 
 
ヤスリのあて具合の強弱が難しく、終わったあと「全く磨けていない」とエンジニアから優しく指摘を受けました…。
これらはムーブメントを組み上げるベースとなる地板の数々。

 
 
 
 
 
 
 
 
綿密な設計図にそって、NC旋盤やワイヤー放電などで切削された上 手仕上げにより完成します。
この上に、何百ものパーツが組み込まれ、様々なファンクションを持つ時計となります。


 
 
 
 
 
 
 
完成した極薄ムーブメントのひとつ。「フィニッシモ」のムーブメント。


 
 
 
 
 
 
 
コインの厚みよりも薄く、更に美しいコートドジュネーブで仕上げが施されています。
そして、最も神秘的な領域。ミニッツリピーターの製作現場。

 
 
 
 
 
 
 


これはハンマーが打ち鳴らすゴングを造っている真っ只中。

 
 
 
 
 
 
 
 
古くからミニッツリピーターを製造しているこの工房は有名で、20年以上前から ジェラルドジェンタやダニエルロートなどの鳴り物を世に送り出しました。
ここで38年勤務し、リピーターのパーツのみを造り続けているという、まるで聖人のような超ベテランエンジニア。

 
 
 
 
 
 
 


かつてダニエルロートを師事し、一緒に働き、そして今も彼のことを心から尊敬していると言う。
ハンマー、ゴングなどをムーブメントに組み込む超精密作業。

 
 
 
 
 
 
 


顕微鏡での作業、身体の全ての神経を集中させる、息をのむ瞬間です。





 
 
 
 
 
 
鳴らされたゴングの音をCPで波形に分析し、音の波長を調べ、美しい音色に調律していきます。

 
 
 
 
 
 
 
 
トゥールビヨンも備えハンマーが3つついている三連音カリヨンリピーターもここで作られます。


 
 
 
 
 
 
 
そして、彼こそがこのファクトリーのトップエンジニア

 
 
 
 
 
 
 
 
最も難しいと言われるグランソネリ、ミニッツリピーターキャリオンなどを彼が組み上げます。
以前、カミネで扱ったカリオンリピーター トゥールビヨンの固有番号を言うと、すぐに「それは私が組み上げ完成させた」…と。まさに、お客様、製品、造り手が繋がった瞬間でした。
彼も20年近くここで働いており、ダニエルロートに薫陶を受け、今も尊敬していると話していました。




 
 
 
 
 
 
丸2日間に亘るファクトリー4ケ所を廻るツアーが終わりラショードフォン・ヴァレドジュウをあとにして。

 
 
 
 
 
 
 
 
延々と続くスイスの伝統的な高級機械式時計製造は、近年 格段にハイテク化した設計システム、工作機器により生み出されますが、最終的には伝承された「技」を持つトップエンジニアたちの手によって仕上げられます。

 
 
 
 
 
 
 
 
そのひとつひとつは工芸品のような美しさを持ち、触感、音色など、人々の官能を呼び覚ますムーブメントを完成させます。
それらは伝説的ウォッチメーカーの影響をうけた職人たちの技術力とLVMHの資本、ローマ・ブルガリの感性が織りなす、ブルガリ タイムピースとして完成していきます。




 
 
 
 
 
 
恵まれた環境の中に生まれる今のブルガリの時計は、ある意味 最高の年代に生まれた最高級のワインのように、先々でヴィンテージものになりえる高度な内容だと確信しました。

 
 
 
 
 
 
 
 
ブルガリの現CEO ジャン・クリストフ・ババン氏

 
 
 
 
 
 
ブルガリ ローマ本社
この度、10月17日(土)18(日)
カミネでは、新装になった元町店2Fのプライベートサロンで、グランドコンプリケーションウォッチにフォーカスした特別展を開催いたします。
→→→ ブルガリ グランドコンプリケーションウォッチフェア



 
 
 
 


是非、ブルガリの最高級アイテムの数々をご体感下さい。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
カミネ 上根 亨
 
 
 
 
 
 
 

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