Patek Philippe Floorブログ

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自動巻ローターの巻き上げについて(後編)

前回、自動巻のローターは片巻きと両巻きがあるとお伝えしました。

 

 

 

 

 

 

では、片巻きと両巻きでは一体どちらが優れているのでしょう?
これはなかなか難しい問題で、どちらかが一方的に優れているとは断言できないと思います。

機構的には両巻きの方が少し複雑で、ローターが左右どちらに回転した時も
その力をゼンマイの巻き上げ方向に切り替える『切り替え車』というものが付いています。

単純に考えても、『片一方しか巻けない』より、『両方向で巻ける』方が効率は良いはずです。

歴史的に見ても、片巻きを進化させる形で両巻きが開発されているので、
後発の両巻きが圧倒的に 優れているのなら、とっくに両巻きだけに淘汰されていてもおかしくないのですが
今だにそうはなっていません。

実際、パテック フィリップは、片巻きを使い続けています。
(ムーブメントの設計者に聞いたわけではもちろんありませんが、 技術的に作れないということはないはずなので、やはり敢えて片巻きを採用し続けているのだと思います。)

一方ロレックスは両巻きを採用していますし、ジャガー・ルクルトやF.P.ジュルヌのように
両巻きを採用していたのに片巻きに変更したメーカーもあります。

 

 

 

 

 

 

(ARMBAND UHREN2016 参考)

そもそも、『ローターの回転』と言いましたが、人の腕に着けた状態では
腕の構造上、ワインダーに取り付けた時のように綺麗に回転することはありません。

『ローターの振り』という方がより正確なように思います。
『振り』と考えれば、片巻きのローターの空回りは全く無駄と言うわけではありません。

勢いよく回るほど、それが止まった時の反動が大きくなり、ローターの巻き上げ方向に作用するからです。

一方、両巻きは反動の力はあまり利用しませんが、両方向で巻き上げる分、ゼロから中間地点くらいまでの巻き上げの速さは片巻きより優れているようです。

 

 

 

 

 

 

いずれにしても、ご自身が愛用している自動巻時計の ムーブメントが両巻きか片巻きか、
片巻きの場合は右巻きか左巻きかを知っておくことはワインダーにかける場合、非常に有効ですが、
実用上はどちらが特に優れているということはありませんので、個性だととらえて大いに楽しみましょう。

カミネ トアロード店2F パテック フィリップ・フロアでお待ちしております。
是非、この続きをお話をさせてください。

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