KAMINEスタッフブログ

モンブランとミネルヴァ

カミネ元町店の坂本です。
最近寒くなって来ましたね!寒暖の差も激しいので皆様もお体に気をつけてください!
坂本は最近、酔っ払うと半裸で寝ちゃうんで風邪ひいてます!

早速ですが、絶賛開催中のモンブランフェアよりコレクションヴィルレのご紹介です。

まず、コレクションヴィルレとは?
モンブランの高級ムーブメント工房「ミネルヴァ」のムーブメントを搭載した最高峰モデルです。
コレクションヴィルレを知る上でご理解していただきたいのはこの「ミネルヴァ」という工房です。

ミネルヴァ社は1858年、ジュラ山脈のヴィルレで創業したムーブメント会社です。
オリンピックの公式ストップウォッチに採用されたこともある程、クロノグラフムーヴメントで有名です。
時計を愛好家の方なら、その名を聞いたことがあるかもしれません。

アンティークの世界でもcal.13-20CHや、cal.48は名品として人気があります。というか、個人的に好き。

余談ですが、cal.13-20CHは漫画ギャラリーフェイクにも登場していました。
あのマンガ面白いですよ。。

ハンドメイドを主とする、小さな工房であったミネルヴァはクォーツショックや、
技術の進歩に遅れを取り、存続の危機に陥りますが、
2006年にリシュモングループの雄「モンブラン」の傘下に収まります。
モンブランは、その職人による伝統技術に付加価値を与え、ミネルヴァを復活させました。

モンブランが甦らせた、いにしえのDNAを持つその時計はこちら。
Villeret Grand Chronographe Émail Grand Feu
ref.103845

18Kホワイトゴールド
手巻き(MB16-29)
47mm 30m防水
ワンプッシュクロノグラフ
8本限定 ¥8,581,680


文字盤はグランフーエナメル。
吸い込まれるような黒は、光を反射させるとエナメルの独特な風合いを呈します。

なんといっても売りであるのはミネルヴァ製ムーブメント。cal.16-29

手巻きクロノグラフ特有の複雑に入り組んだブリッジや、レバー、これらはジャーマンシルバー製。
コードドジュネーブや、ペルラージュ装飾は勿論ながら、プレートの面取りも深くエッジが立っています。
優美な曲線を持つ各レバーや、ネジも丁寧に磨かれ、ルビーにはゴールドのシャトンまでついています。
すべての手仕事が渾然一体となって、輝きを放ってきます。うっとり。
ムーブメントの仕上げがよくわかんねぇ!な場合は→こちらも是非ご覧ください。

本当に、このムーブメントの見どころは多いのですが、
いくつかわかり易いものをピックアップします。

脱進機は大型でロービートのテンワは見応え十分。チラネジはオタク心をくすぐります。
緩急針はスワンネックを採用。これはミネルヴァ製ムーブメントにおいて標準装備ですね。
非常に珍しい、自社製造のひげゼンマイは巻き上げひげで精度に対しても抜かりはありません。


ブリッジで特徴的なのは、クロノグラフランナーと30分積算計ホイールを保持するY字型のブリッジ。
Y字のブリッジ自体はよく見られるものですが、これだけYの谷間にエッジを効かせているのは、
銘機cal.13-20CHの意匠を意識している故ではないでしょうか。
戻り角と呼ばれるこのエッジは、熟練の手仕上げが必要な最も難易度の高いものになります。


ミネルヴァの矢と呼ばれる部分。
この鏃はコラムホイールを制御するレバーの一部に施される装飾であり、
何らかの機能を有するわけではありません。ですが、出角と戻り角を組み合わせた
高難易度のこの部品はミネルヴァの実力を物語るには十分なパーツです。

時計の価値観は様々ですが、人の手の仕事を感じられる。正に本物といったところでしょうか。
たった8本のみ限定品。
このブログだけでは語り切れない時計ですので、店頭でお手にとってご覧ください!

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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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