皆さんはお気に入りの腕時計を探す時に何を見て決めますか？
またはどの部分に重きを置きますか？
ブランドの背景や歴史、または時計のデザインや機能、
たくさんあると思います。
今回のブログでは特に目に入りやすい「文字盤」についてお話します。
【腕時計の文字盤とは】
腕時計の文字盤とは、時間を表示するための文字・数字等が記された盤面のことを指します。
文字盤に配される目盛りのことを「インデックス」と呼び、
1～12の数字が右回りに等間隔で並べられているのが一般的です。
また、時刻を示す針にも、多種多様のデザインが存在します。
時計の表面は「風防(ガラス)」と呼ばれる部品でしっかりと保護されています。そして、その風防を固定する役割を担う部品を「ベゼル」と呼び、
文字盤を囲むような形で外周に設置されています。
また、ベゼルの部分にダイヤモンドをセッティングして華やかさを演出したり、海外の時刻を表示するGMT機能を備えたり、時計の部品一つ一つにも多機能化が進んでいます。
時代の変化に伴い、腕時計の存在そのものが、単に時間を確認するためだけのツールではなくなってきていることが分かります。
腕時計は、自分の個性を表現することのできるアイテムの一つとして
考えられるようになったのです。
「ダイヤル」や時計の「顔」とも呼ばれる文字盤は、
自分の個性を表現する上で重要なポイントとなる部分です。
ブランドごとに豊富な種類があり、その中から長年使用するお気に入りの一本を見つけることは、時計選びの運命的とも言える醍醐味と言っても過言ではありません。
時計は、長い歴史を共に刻み、次の世代へ受け継いでいくことのできるアイテムの代表格でもあります。
自分がこだわりを持って選び抜いた時計が、
次の世代にも受け継がれるものと考えれば、腕時計選びの魅力はより一層増し、所有した後の愛着も増します。
そのような中で、本日は様々なシーンに適した腕時計をタイプ別に紹介していきたいと思います。
PIAGET
アルティプラノ 38mm
K18PGケース/アリゲーターストラップ
手巻き
Ref.G0A31114 ￥ 2,112,000（税込）
フォーマルシーンやドレスウォッチのスタンダードは「白い文字盤」「黒革ベルト」「三針（時針・分針・秒針）」と言われています。
“時間を気にせず催事に集中する”という意味合いから、
ダイヤルも可能な限り複雑な機能を削ぎ落したシンプルなデザインが好ましいとされています。
アルティプラノは、極限まで追求し尽くされた薄型のケースが特徴です。
袖口の邪魔をしないエレガントな極薄ウォッチは、
ビジネスの場においてもスマートに着用することができます。
ラグに角度をもたせることで、腕にぴったりとフィットする快適な装着感も大きなポイントです。
また、文字盤も洗練された無駄のないデザインになっていて、
身に着けるだけで気品のある佇まいを演出してくれる時計です。
続いて、少しスポーティでビジネスシーンにも使いやすいデザインの
腕時計をご紹介します。
PARMIGIANI FLEURIER
トンダ PF マイクロローター 40mm
ステンレススティール/PT950 自動巻き
PFC914-1020001-100182
￥ 2,827,000（税込）
スタイリッシュながらも重厚感や高級感を持ち合わせるブラックカラーの文字盤は、全体に引き締まった印象を与えてくれます。
また、ビジネスシーンではスーツとよく馴染むカラーリングですので、オールマイティな汎用性に人気を博すのも納得です。
トンダPFマイクロローターは、全体がモノトーンでシックなイメージにまとめ上げられた時計です。
インデックスを小さくし、針をスケルトンにすることで文字盤の絶妙な色味の美しさがより際立つデザインとなっています。
また、ブレスレットは“第二の皮膚”と表現されるほど柔らかく、ケースには上品なサテン仕上げが施されています。
高級時計でありながらもモダンでスタイリッシュな見た目は、幅広い世代から支持される今注目すべき時計です。
BVLGARI
オクト フィニッシモ オートマティック ウォッチ 40mm
ステンレススティール 自動巻き
103431
￥ 1,628,000（税込）
また、ここ最近で一際大きな存在感を見せているのが青い文字盤のモデル。一口に青といっても色の濃淡により見え方は様々です。深い色味は知的で落ち着いた印象を与え、ドレッシーなスタイルとの親和性がより一層高まります。明るいブルーは肌の色にも馴染みやすく、着ける人の印象を爽やかに見せます。カラー文字盤の中でも、最も奥ゆきのある色ですので、是非お気に入りの“ブルーフェイズ”を見つけてみて下さいね。
オクトはラテン語で“8”を意味し、フィニッシモはイタリア語で“超越した”“極上の”という意味をもっています。
その名の通り、文字盤が八角形になっている上記のシリーズは、ラグから内側のベゼルに向かって丸みを帯び、再び八角形のダイヤルで形を印象づけるデザインになっています。
このような近代的な形に爽快なブルーダイヤルは、ハッとする新鮮さに溢れます。
また、複雑な造形のケースにサテン仕上げとポリッシュ仕上げが細かく使い分けられている辺りも、ブルガリの技術力の高さとこだわりの強さを感じることができます。
MAURICE LACROIX
アイコン オートマティック 42mm
ステンレススティール/グリーンラバー 自動巻き
AI6008-SS000-630-5
￥ 231,000（税込）
そして新たなトレンドカラーであるグリーン。
昨今耳にするようになった「サスティナブル」「SDGs」などの言葉と共に全世界が環境問題への意識を高めると同時に話題を呼んだのが、アースカラーの代表格であるグリーン。最新の流行色として少しずつ人気が出始めているカラーです。
1975年に創業したスイスの時計メーカーであるモーリス・ラクロア。
その中でも人気の高いシリーズである「アイコン」より、
グリーンが発売されました。
ベゼルに取り付けられた六ヶ所の爪をポリッシュ仕上げにすることで、
全体に立体感をもたせたメリハリのあるデザインとなっています。
また、ラバーと同じ深みのある緑の文字盤は、
トレンドを押さえつつ普段の装いのアクセントとなり、
フレッシュな印象を与える腕時計と言えるでしょう。
【文字盤に模様が施された腕時計】
一般的に高級時計と分類されるもののほとんどは、パーツの製作を手作業で行っています。
非常に緻密で高い技術力が要求されますが、
歯車を円滑に噛み合わせ時計全体に滑らかな動きを滞りなく伝えていくためには、機械だけでは実現できない職人の技が必要不可欠となるのです。
しかし、長年培われてきた高度な伝統技術が光るのは、
時計内部の製作に限られた話ではありません。
一つ一つの文字盤に施される繊細ながらも計算し尽くされた装飾は、
もはや芸術品としての域に達する美しさすら感じさせます。
18世紀にアブラアム＝ルイ・ブレゲによって考案された彫金装飾であるギヨシェ彫りは、金属製の文字盤に規則的な凹凸を彫って模様としたものを指し、その種類も様々です。
ピラミッド型の鋲が並んだ“パリの石畳”という意味をもつ「クル・ド・パリ」や、“チェック柄”の意味をもつ「ダミエ」模様も非常に人気があるデザインです。
一つの文字盤に複数のギヨシェ彫りを施す事もあり、各メーカーの手腕が目に見える形となって分かりやすく表現される技法でもあるのです。
また、現在では多くの高級時計に採用されているギヨシェ彫りですが、これは単に文字盤の美しさを際立たせるためだけの装飾ではないのをご存知でしょうか。文字盤の表面に細かな凹凸を施すことで光の反射を抑え、視認性を高めるという実用性に優れた点もあるのです。
先述した通り、いわゆる高級時計に分類されるものの多くは職人が手作業で彫刻していることがほとんどです。
美しい文字盤を作るため、そして正確な時刻を我々に知らせるという時計本来の役割を果たすため、ブレゲが開発したこの彫金装飾は時代を超えて人々に愛され、様々な形で派生しながら伝統を守りつつ現在に至っています。
クル・ド・パリのエングレービングが施された文字盤をセットした
MAURICE LACROIX
アイコン オートマティック 39mm
ステンレススティール 自動巻き
AI6007-SS002-330-1
￥ 247,500（税込）
クールな黒文字盤にクル・ド・パリの装飾が施され、
近未来的でありながらも上品な印象を与えるアイコンのシリーズ。
1990年に発売され人気を博した同ブランドの「カリプソ」を復刻させたデザインです。
ラグを短くすることで腕にフィットしやすい造りになっていて、
スーツの袖口にもスマートに収まるサイズ感が特徴です。
ダミエのエングレービングが施された文字盤をセットした
FRANCK MULLER
トノウカーベックス 30th 縦45mm×横32mm
ステンレススティール/クロコダイルストラップ 自動巻き
5850SCDAMBLELTD AC
\1,485,000（税込）
ブランド創業30周年記念モデルとして発売されたFRANK MULLERの新作。
ダミエ模様はもともと日本の市松模様から着想を得たものだと言われているため、私たちの中でも大変馴染みの深い柄です。
ダイヤルは特徴的なビザン数字のインデックスとブランドのロゴ、そして三針のみの非常にシンプルなビジュアルになっています。
それだけに、文字盤に敷き詰められた繊細な模様が浮き立つように映えるデザインともいえます。
そして、近年では様々なブランドから発売されている「スケルトン」は、文字盤をシースルー化してムーブメント全体を鑑賞することができる造りのことを指します。
機械式ならではの複雑な機構が動いているところを直接目にすることができるため、時計好きの方にはとても人気のデザインです。
スケルトンの文字盤をもつ
PIAGET
ピアジェ ポロ スケルトン 42mm
ステンレススティール 自動巻き
G0A45004
￥ 3,762,000（税込）
エレガントとスポーティの両方を兼ね備えたポロシリーズ。
複雑さが可視化し身に纏う芸術品といえるスケルトンにも、ブランド最大の特徴ともいえる薄型のケースは健在しています。
ムーブメントの緻密な動きが正面からも裏からも眺めることができるのはこの時計ならではのデザインであり、新感覚のラグジュアリーさが魅力です。
また、濃紺のアリゲーターストラップが付属しており、ご自身で簡単に取り換えられるのも大変魅力的です。
【文字盤の素材について】
文字盤の基本となる素材は真鍮です。真鍮のプレートに下地メッキを施し、その上にラッカーなどでの塗装、メッキやPVDで着色するのが一般的です。
なぜ文字盤のほとんどに真鍮が使用されるのかというと、加工が容易という事、錆びにくく丈夫といったメリットがあるからです。
一方で変色しやすいデメリットがありますが、これは塗装やメッキ加工をすることでデメリットは減少します。
真鍮は他にもムーブメントの地板や、ゼンマイなどにも使用されており、時計を構成する重要な素材となっています。
天然素材のベース（土台）にも真鍮は使用されます。
では真鍮以外ではどの様な物が使われるのか紹介していきたいと思います。
まずは金属で主にゴールド、シルバー、プラチナ、チタン等があります。
セラミックやカーボンを使用した文字盤も多く、これらの素材は変色や磁気の影響も少なく見た目もスポーティーです。
天然素材ではマザーオブパールやシェルと呼称される貝殻を使用した文字盤が有名です。
産地によって色合いが異なり、採取部位によっては凹凸等が変化しますので、個体差が大きい素材。
光の反射に柔らかさがあるため、パールの似合う日本人の肌に馴染みやすいダイヤルとして、各ブランドがレディースウォッチでよく使用しますね。
GRAND SEIKO
ヘリテージコレクション 35.8mm
ステンレススティール/マザーオブパール クォーツ
Ref.STGF283
￥ 429,000（税込）
光の当たり具合や見る角度によって表情が変化する蝶貝のダイヤル。
インデックスにセッティングされたダイヤモンドが女性らしく華やかに光り、3時位置には日付表示も備えています。
実用性、視認性共に優れていて使いやすく、白を基調とした色味はどんな服装にも合わせやすい時計です。
さて、様々な時計の文字盤のお話しは如何でしたでしょうか？
文字盤に関する魅力の数々について、ほんの一部ではありますがご紹介させていただきました。
時計の「顔」となる部分に秘められた様々な特徴に注目してみると、より一層時計選びが楽しくなるに違いありません。
是非カミネの店頭に足を運んでいただき、それぞれの文字盤が彩る美しさをご自身の目でお確かめくださいませ。
