クロノメトリーブログ

2020年ゼニス新作目白押し!

1969年に起きたクォーツショック

時計好きの方はご存知の方も多いかと思います。

この出来事の発端はセイコーがクォーツ時計を世界で初めて発表したことに始まります。

腕時計がまだ機械式しか存在していない頃に彗星のように現れたクォーツ時計。

電池の残量がある限りゼンマイを巻く必要もなくその上、精度も抜群。

発売当初は高額商品でしたが、徐々に量産体制が整うと安価なクォーツ時計が各社から

大量生産されました。

それに伴い、スイスの機械式時計産業は大打撃を受けます。

人々は当時、安価で扱いやすく高精度な時計に完全に流れてしまい、

倒産するスイスブランドも多く出てしまいました。

ゼニスもその苦境に立たされたうちの一つです。

経営不振によりアメリカ企業に売却され、これまで機械式時計しか作っていなかったにも関わらず

新たな経営方針により機械式時計を作る工具や設計図、機械は全て廃棄されクォーツ時計のみを作るようにな

りました。

その生産ラインはもちろん、クォーツ時計生産にはなかなか適応せず、

従業員たちのフラストレーションも溜まるばかりでした。

そして挙句1978年にはまたスイスの経営者に売却されるという道を辿ります。

そしてようやく機械式時計とクォーツ時計の棲み分けがはっきりとしてきて

再び機械式に注目が集まるようになってきた1980年代初頭。

ゼニスに一筋の光が差します。

それがエル・プリメロの再生産でした。

クォーツショック直前に発表されたエル・プリメロは

世界初の高振動自動巻きカレンダー搭載クロノグラフとして発表され、

高い評価を得ていた時計、ムーブメントです。

そのムーブメントをロレックスが新たなデイトナに載せたいと考えていたのです。

多額の契約金も用意して・・・

ですが、売却騒動の一件で工具や設計図、機械は既に廃棄済み・・・

と思われていましたが、機械式時計の再興を信じて止まなかった一人の男により

自体は一変します。

ゼニスのエル・プリメロ製作にも携わったシャルル・ベルモ

廃棄を命じられていたそれらをこっそり工場の屋根裏部屋に隠していたのです。

再びエル・プリメロを生産できるように・・・

シャルルのおかげでゼニスはロレックスとの契約も締結し、

エル・プリメロの生産を再開することができました。

それからゼニスはムーブメント会社としてのイメージが強くなるほどに

エル・プリメロは様々な名機に搭載されることになります。

そんな波乱万丈でドラマチックな歴史を持ち、機械屋としての側面も持つ

ゼニスの新作フェアがカミネクロノメトリー店で開催されています!

当初は今年の4月に開催の予定でしたが中止になっておりました。

売り場では数々の新作を取り揃えております!

また期間中ご成約のお客様には素敵なノベルティもご用意しております。

ゼニスのクールで少しアバンギャルドな世界観をお楽しみくださいませ。

https://kamine.co.jp/event/766/

詳細は上記URLにて

カミネクロノメトリー店

〒650-0021 神戸市中央区三宮町3丁目1-5

TEL:078-391-1571

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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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