グランドセイコーの機械式モデルを製造している”スタジオ雫石”。
自然に囲まれた工房ですが、その自然及び環境保護にかなりの力を注いでいます。今回はその取り組みをご紹介いたします。
スタジオの外観紹介等をしたブログも投稿していますので、是非下記リンクからご覧下さい。
【THE NATURE OF TIME】グランドセイコー スタジオ雫石 視察ブログ①
“スタジオ雫石”は盛岡セイコー工業の敷地内にあります。
盛岡セイコー工業全体の敷地は何と東京ドーム3個分です。その広大な面積の約37%が緑地となっています。敷地内には大きな木が約900本もあります。更には管理として、全ての木に番号とGPSを備え付けて管理をしています。
一本一本の健康状態(キツツキのいた跡等も含めて)を管理番号に沿って台帳管理までしているそうです。かなり手の掛かる管理体制のため、盛岡セイコー工業の社内には環境保全専門の部署があり、日々管理を徹底しています。
また、自然の管理には受粉等のために昆虫の管理も切り離しては話せません。そこに関してもぬかりなく昆虫の誘致に取り組んでいます。
敷地内に昆虫用の家「インセクトホテル」を複数整備しています。
デザインは”スタジオ雫石”をデザインした隈 研吾氏がデザインしています。
木箱の部屋が複数入っており、木箱内へ木々を入れる作業は地元の学生等にも協力してもらい実施しているそうです。実際に見学している最中には、蜂がインセクトホテルに入っていく様子を見ることができました。
更にはビオトープまで敷地内に保有しており、独自の生態系があるそうです。
ビオトープの名称は「わくわくトープ」といいます。
カエルやイモリ等の爬虫類が多く生息していて、食物連鎖の頂点には大きなアオダイショウが君臨しているそうです。これからもどんどん生態系の輪が広がっていくみたいです。
「わくわくトープ」エリア内の池は雨水をろ過した水が溜まっています。雨水より生物が暮らしやすい水質へと自然のろ過装置を利用して変質させています。
どこまでもぬかりなく管理されています。
“スタジオ雫石”で使用する電力は全てソーラーパネルの発電からまかなっていて、盛岡セイコー工業全体も殆どを太陽光発電から電力を使用しているそうです。近いうちに全てをまかなえるようにしていく予定でもあります。水に関しても、グランドセイコーはメッキ処理を自社で実施していますが、メッキ処理加工の中で使用した水は、自社で浄水して自然に返しています。そのために浄水用施設を一棟建てています。
ゴミに関しても埋めたて廃棄は10%以下とほとんどがリサイクルされており、多様なことがSDGsに沿って高水準で実施されています。
“スタジオ雫石”の自然保護についてご紹介しましたが、時計産業とは思えない程の高レベルな取り組みがなされています。
自然情景をもとにしたモデルを作成する中で、自然を著しく破壊していては元も子もない感じはしますが、高水準の取り組みがなされているため今までよりも更に自信を持ってオススメできますし、自信を持ってご着用いただけると思います。
次回の記事ではメインとも言える、スタジオ内のお話しをご紹介いたします。是非ご一読下さい。
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