KAMINE 社長ブログ

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スイス ジュネーブで親子二代に亘って続く高級機械式時計作りマイクロメゾン(小規模ファクトリー)“ローラン・フェリエ”

スイス ジュネーブで親子二代に亘って続く高級機械式時計作りマイクロメゾン(小規模ファクトリー)
“ローラン・フェリエ”創業者のローラン・フェリエ氏と息子のクリスチャン・フェリエ氏
二人共、生粋の時計エンジニアです。

昨年オープンしたカミネ エスパス店にはローラン・フェリエのオフィシャルコーナーが完成しました。
それを記念して、スイス本社からクリスチャン・フェリエ氏を招いてトークショーを開催。
大勢の時計好事家の皆様にお越し頂いて、質疑応答などホットな一日となりました。

クリスチャン・フェリエ氏 47歳
今や世界的に注目されるブランドとなったローラン・フェリエについて彼の話しをゆっくり聞いてみました。

クリスチャン氏は、かつて ジュネーブでロジェ・デュブイが創業した頃、創業者の一人でクリエイターとして天才とも言われたカルロス・ディアス氏とパテック フィリップ出身の高名な時計師 ロジェ・デュブイ氏に数年間師事しました。
その後、父ローラン・フェリエ氏と一緒に仕事をすることとなった彼は、パテック フィリップでの実務経験が豊かな父から 時計作りの根本と細部に亘る薫陶を受ける毎日を送ります。そこで ローラン・フェリエ社の立ち上げ時からのウォッチメイキングを受け持ったファブリック デュタンの高名な時計師 ミシェル・ナバス氏やエンリコ・バルバシーニ氏らとも仕事を共にしました。

ここまで歩んできた彼のその得難い程 稀有な経歴から(英才教育とも言えるでしょう)生み出されるローラン・フェリエの時計のひとつひとつが如何に素晴らしいのかを物語っていると思います。

 

ローラン・フェリエの 妥協を許さない時計製造のプロセスは最高のサプライヤーから供給されるパーツで構成され、最先端の一端をすくい取るようなもののみを活用して文字盤、針、外装の下請けのコネクションで時計製造分野の頂点を極めます。

一旦完成したムーブメントはTOPクラスの職人たちによって懇切丁寧な二度組みまで行った上、自社アトリエで完成されます。それは年間100本にも満たない僅かな総生産数で、当然 1本あたり高価なものとなりますが、その分、究極のタイムピースを手にするとも言えるのだと思います。

(注:写真は一部 “Watch Media Online“より掲出させて頂きました)

 

ローラン・フェリエはスイス時計産業で最も栄誉とされるジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ GPHG を過去4度も受賞した実績を持ちます。

 

それでは、ローラン・フェリエの逸品の数々をご紹介いたします。

クラシック ダブルバランススプリング トゥールビヨン

手巻き、振動数:21,600振動/時(3Hz)
パワーリザーブ80時間、スイスレバー脱進機
ホワイト グランフーエナメルダイヤル、18Kイエローゴールド
ケース径:41.0mm,ケース厚:12.5mm
防水性:30m防水
オーダー可能 ¥32,670,000(税込)

ローラン・フェリエはブレゲの時代に懐中時計から生まれたトゥールビヨン製造の原則にのっとり、トゥールビヨン脱進機は全て表からは見えません。クラシック ダブルバランススプリング トゥールビヨンの凄いムーブメントはケースバックから堪能出来ます。

 

この写真はスクエアマイクロローター のケースバック
ナチュラル脱進機を搭載しています。

ローラン・フェリエの中でも代表的な機構の一つであるナチュラル脱進機は、世界でもごく少数の限られたブランドしか手を出すことができない複雑機構です。
この機構はスイスの時計学校では教わることがない独自開発技術であるため、組み立てができる技術者は非常に少ないと言われています。

 

そのような難解な機構になぜ挑戦したのか。
多大な人件費や開発コストがかかることは目に見えていますが、クリスチャン氏はこう答えました。

 

「ナチュラル脱進機は天才時計師ブレゲが開発した歴史ある機構だからこそチャレンジしたのです。
父はブレゲを常に尊敬しており、それゆえ伝統的な時計作りを志してきました。」
時計師としての想いや野望が見え隠れした瞬間でした。
腕時計として極めて高度な一級品。
そこにはローラン・フェリエならではの時計作りの哲学があり、だからこそ他社には真似ができない機構を有する
時計を完成させられるということを改めて実感しました。

 

一昨年 発表された話題作。
この時計が生まれた逸話は数多く、とても興味深いものです。
ローラン・フェリエ スポーツオート 自動巻

振動数:28,800振動/時(4Hz)、パワーリザーブ72時間
スイスレバー脱進機、ブルーグラデーション オパラインダイヤル
グレード5チタニウム、ケース径:41.5mm,ケース厚12.7mm
防水性:120m、オーダー可能 ¥8,712,000(税込)

 

ローラン・フェリエ クラシックオリジン ホワイト 手巻き

振動数:21,600振動/時(3Hz)、パワーリザーブ80時間
スイスレバー脱進機、シルバーホワイト オパラインダイヤル
グレード5チタニウム、ケース径:40.0mm,ケース厚:11.1mm
防水性:30m防水、オーダー可能 ¥5,995,000(税込)

 

ローラン・フェリエ クラシックオリジン ブルー 手巻き

振動数:21,600振動/時(3Hz)、パワーリザーブ80時間
スイスレバー脱進機、グラデーションブルー オパラインダイヤル
グレード5チタニウム、ケース径:40.0mm,ケース厚:11.1mm
防水性:30m防水、オーダー可能 ¥5,995,000 (税込)

 

トークショーではローラン・フェリエアフターサービスについても話してくれました。

現在も少量生産を維持するローラン・フェリエでは、実際に組み立てをした技術者が、責任を持ってオーバーホールを行っています。

 

技術者一人一人の日々の作業は非常に丁寧かつシンプルな工程によって行われており、先々のメンテナンスにおいても継承を睨んだものである事は明らかで、
世代を渡って引き継ぐことができるという腕時計の本質的な魅力の一つを置き去りにしないところも、このブランドが評価されている理由だと思います。

 

トークショー後は 皆様と、クリスチャン・フェリエ氏やマネージャー・ロバート氏と通訳を交えて、直接色々お話し頂きました。

世界で一番 時計を見る眼が厳しいとされる日本のエンドユーザーの方々と 実に貴重なお話しが出来たと、クリスチャン・フェリエ氏は大感激でした。

 

トークショーにご来場いただいたお客様の中に、思い出深い時計を着用して参加頂いたお客様がおられました。

2016年に、カミネ創業110周年を記念して数種類製作した内の1点で、グランフ―エナメルガレ マイクロローターです。
カミネ110thモデルは全て40㎜ケースでしたが、実はローラン・フェリエ氏に頼み込んで特別に39㎜で製作したワンオフモデルが存在したのです。

 

1870年代の懐中時計から着想を得た文字板デザインは、39㎜を更に小顔のイメージにするためインデックスを内に寄せ、印象的な配色に加え、GRAND FEU EMAIL の記載等、拘り抜いて製作しました。

 

ローラン・フェリエがまだ名も知れぬ頃からその実力に惚れ込んで製作した記念モデルを 永きに亘り ご愛用いただき、お客様、ローラン・フェリエ、カミネの歴史がクロスオーバーする感慨深い場面となりました。
後日 番外編で LF×Kamine 110th Anniversaryについてお伝え致します。

 

閉店後の打ち上げはクリスチャンの大好きな和食ディナーで・・・
彼の趣味は本格的なルアーフィッシングで、ほぼ毎週末 ジュウ湖畔やその付近の渓流で釣りを楽しむとか。(道具に対する拘りはすごい・・・)

 

ローラン・フェリエ社のヘッドマネージャーのRobert Bailey氏を加えて3ショット。

 

クリスチャン・フェリエ氏の腕にはダブルバランススプリングのトゥールビヨンが・・・。

 

ローラン・フェリエというブランドとその背景にあるクリスチャン・フェリエという人の存在。
時計人として彼とブランドのこれからの将来は、益々楽しみになってきた一日でした。
ご来場の皆様、有難うございました。

L’espace de kamine  ➡ https://www.kamine.co.jp/shop/lespace/

 

ブレゲ ”クラシック クロノメトリー” 超ユニークな発想を持つその時計

 

“ブレゲ クラシック クロノメトリー”

新しく開発したムーブメントの構造とその精度に「自信有り」
クロノメトリーを直訳すると「時間測定法」
ブレゲのムーブメントの驚くべき進化をご紹介いたします。

磁石の力で浮きながら、超高速で走るリニアモーターカー

50年以上前から未来の技術として研究され、今なお実現を目指し、実証が繰り返されています。

たとえ話しとしては少し当てつけにはなりますが、夢の乗り物であるリニアモーターカーに似た原理が使われているのがこのブレゲ “クラシック クロノメトリー”という時計です。

 

 

時計製造の常識をくつがえし 、ムーブメントの一部に磁石を採用したこの ブレゲ ”クラシック クロノメトリー”
恐らく他にはあり得ない設計思想を持ったタイムピースです。

 

“クラシック クロノメトリー”は、毎時72,000振動の超ハイビートムーブメントです。
現在ハイビートと呼ばれる時計、例えばゼニスのエルプリメロやグランドセイコーの9S86は毎時36,000振動。
ブレゲの”クラシック クロノメトリー”はなんとその倍なのです。

 

当然、精度はとても高く平均日差は+3秒~-1秒。
クロノメーターの基準を凌ぐ高精度です。
更には、通常ハイビートムーブメントの弱点である潤滑油の乾きや部品の摩耗を克服しています。
その上、ハイビートの大敵となる衝撃にも対応しているというから驚きです。

 

では何故、そんなに高振動のムーブメントが製造できるのか・・・
その秘密が、機械式時計にとって本来は天敵である磁石「マグネティック・ピボット」という磁石をムーブメントパーツの一部に組み込んでいるからなのです。

 

以下に詳しく説明していきましょう。

 

マグネティック・ピボットとは、天真の軸受けに磁石を用いた革新的な機構です。
これによりテンプは宙に浮いた状態になり、摩擦の影響を受けることがありません。

 

これは時計を平置きしているときだけでなく、垂直姿勢でも同じです。
通常、テンプの軸=「天真」は両先端部が穴石に差し込まれ軸受けで保持されるため、時計が垂直姿勢の場合は穴石側面に接触し、摩擦の影響を受ける為 姿勢差という精度にくるいが出ます。

つまり、マグネティック・ピボットは磁石の力で天真が常に中心に浮いた状態になっている為、どんな姿勢においても姿勢差を受けることが無いのです。

 

更には上下の磁石が形成する磁場による浮力で、衝撃や腕の動きによってかかる加速度の影響を受けないのでテンプは優れた安定性を得ることができるのです。

 

大きな衝撃を受けた場合でも瞬時に正しい位置に戻ります。
要するに、マグネティック・ピボットにより、テンプは安定性を確保し、摩擦の影響を受けないので、72,000振動の高速振動を実現することができたという事なのです。

先に述べたように、時計の天敵である磁石。
通常、その心臓部であるテンプは磁気の影響を受けると「磁気帯び」してしまい、精度に悪影響を与えます。

 

その常識を覆す「マグネティック・ピボット」をムーブメントに搭載することができるようになった理由は、軽量かつ硬く、磁気帯びしない新素材「シリシウム」を様々なパーツに採用したからなのです。

写真はブレゲの時計がシリシウム(シリコン)をガンギ車とアンクルに採用した図です。

シリシウムとはケイ素の結晶から形成する素材です。

 

シリコンというとゴムのようなものを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思います。
ケイ素に化学物質を混ぜると皆さんのイメージされるシリコンゴムになりますが、時計で使われるシリシウムはシリコンゴムとは違い、金属より3倍硬く、1/3軽い素材です。
そして、シリシウムは金属と比べて磁気帯びをしないため、ムーブメントに磁石を採用することができるわけです。

 

 

その他シリシウムの特徴として、金属より硬いため、小型化やスケルトン化など特殊な形状でパーツを作ることができ、重量をより軽くすることができます。
クラシッククロノメトリーに使われているシリシウムの調速機は通常の1/10もの軽量化がされており、部品の軽量化も超高振動化には重要なポイントとなっているのです。

 

リニアモーターカーが電磁石の原理によって宙に浮くことで摩擦をなくし、超高速で走破するように”クラシック クロノメトリー”はマグネティック・ピボットの力でテンプを宙に浮かせて、72,000振動の超高速振動と日差+3~-1秒の超高精度を実現したのです。

 

 

ブレゲ創業者、アブラアン=ルイ・ブレゲはブレゲひげゼンマイやトゥールビヨンやパーペチュアルカレンダーの発明、様々なパーツ素材の研究など、時計製造の歴史を200年早めました。

その開発と共に時計の精度の追求のために膨大なエネルギー時間を費やしてきました。

“クラシック クロノメトリー”はそんなアブラアン=ルイ・ブレゲの精神性、つまりブレゲという時計ブランドの技術力、研究開発力の結晶といっても過言ではないでしょう。

クラシック クロノメトリー 7727

7727BB/12/9WU 手巻き
18Kホワイトゴールド
ケース径:41mm,ケース厚:9.65mm
防水性:30m防水
パワーリザーブ60時間
価格:¥6,149,000 (税込)

この素晴らしい時計はエスパス・ド・カミネでご覧頂けます。


皆様のご来店をお待ちしております。

L’espace de kamine »»» https://www.kamine.co.jp/lespace-de-kamine

Breguet Collection »»» https://www.kamine.co.jp/watch/breguet/mens/

 

 

 

 

 

ローラン・フェリエ エコール・アニュアルカレンダー

 

“LAURENT FERRIER” ローラン・フェリエというブランドをご存知でしょうか?
ローラン・フェリエは、パテック フィリップで37年間務めた経歴を持つ時計製造のエキスパートローラン・フェリエ氏とその息子によって創設された独立系メゾン。

 

ローラン・フェリエカミネが110周年を迎えた際に特別なアニバーサリーモデルの製作をお願いしました。(現在は完売)

 

ローラン・フェリエ  ガレ・マイクロローター

自動巻、ケース径:39㎜
アリゲーターストラップ
価格:WG 限定5本 ¥6,490,000(税込)
RG 限定2本 ¥5,823,000(税込)
SS 限定3本 ¥4,860,000(税込) 合計10本 (完売)

 

搭載されたムーブメント FBN229.01は、最高の仕上げと革新的な巻き上げ機構を兼ね備えており、80時間のパワーリザーブを誇ります。

シースルーバックから見て取れるムーブメントはまさに芸術です。

 

こちらの写真6年前のバーゼルフェア

ローラン・フェリエ氏は静かで穏やかな人物で、スイスの高級部品などのサプライヤー達から敬愛を受けています。
製品デザインの着想を私に丁寧に説明してくれました。

 

主力製品のフォルムの「ガレ」まろやかな丸味を持った河原の石がデザインのコンセプト。
優美な曲線のケースフォルムはエレガントで色気のあるスタイリングの上、中味は極めて高性能な独自開発のムーブメントが内包されています。

 

今回ご紹介するローラン・フェリエエコールアニュアルカレンダーは、2018年にジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリのメンズコンプリケーション部門で受賞したアニュアルカレンダーのバリエーションモデルです。

自社製のムーブメント Cal.LF126.01を搭載しており80時間のパワーリザーブを備えた21,600振動のロービートムーブメントをケースバックから楽しむことが出来ます。
巻き上げる感覚も軽快で、コハゼが奏でる音も心地良いものです。

 

12時側に曜日と月がシンメトリーに整然と並んでおり、日を表示するポインターデイトは視認性の良い赤針を採用。

文字盤全体を等割するクロスラインがクラシカルモダンな雰囲気を演出しています。

 

美しいブルーの文字盤は角度や光の当たり方によって柔らかなヘアラインが顔を出し、ほのかに表情を変えます。

ローラン・フェリエ自身の好きな色がブルーで、その発色にこだわりや意志の強さを感じます。

ぽってりとしたケースのサイズは40㎜。厚さは12.8㎜と袖収まりが良く、ステンレススチール製ですので軽量でデイリーユースしやすい素材とサイジングですね。

文字盤のブルーとアリゲーターストラップのミッドナイトブルーの相性も良く、全体にまとまりのある雰囲気に仕上がっています。

 

機能面では、アニュアルカレンダーという複雑機構を搭載しながら10時位置のプッシュボタンで簡単に日付送りができるなど、操作性にも優れています。
クラシックでシンプルながらローラン・フェリエらしい長針と短針やムーブメントのコート・ド・ジュネーブ等の細部の仕上げ、文字盤のレイアウトやヘアライン仕上げなど熟練の時計師 ローラン・フェリエならではの魅力をたっぷり感じられる味わい深い一本です。

ローラン フェリエ エコールアニュアルカレンダー ブルー
LCF025.AC.CW、ケース径:40㎜、ステンレススチール、厚み:12.80㎜
ムーブメント:LF126.01(手巻き)スイスレバー式
年次カレンダー、防水性:30m、21,600振動、パワーリザーブ:80時間
価格:¥8,316,000(税込)

LAURENT FERRIER ➡ https://www.kamine.co.jp/watch/laurent-ferrier/mens/

カミネ トアロード店 ➡ https://www.kamine.co.jp/shop/torroad/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8月15日 終戦記念日によせて

 

8月15日は終戦記念日。
毎年「この日」は永遠にやって来る。

「生還」より

私は体験もないのに戦争のことを軽々しく話せる
立場ではないと思っていましたが、
近年は それではいけないと強く思うようになりました。
それもやはり歳のせいかも知れません・・・。
太平洋戦争で最後の激戦地となった沖縄から生還した亡父は、
晩年この凄惨な戦争の悲劇を絶対に二度と繰り返さないよう
語り継いでいくことに多くの時間を捧げました。

父が自らの戦争体験を綴った著書「生還」には
「神にも悪魔にもなる人間」という印象深い一節があります。


映画「ログプラス」より

人を変えてしまうむごさ、恐ろしさのある戦争は
その反面 、人の本能に宿る本質的な愛情や
思いやりの心があることも 、この本は教えてくれる気がします。


Wikipediaより

後に遺された世代として、また父の思いを継ぐため
この「生還」を皆様に読んで頂きたいと思い、
カミネでは以前から各店頭に置き 皆様に差し上げています。

こちらの「生還」をご希望の方に差し上げます。
(送料他一切無料)

カミネ ホームページ内のお問合せフォーム
https://www.kamine.co.jp/contact/ より、お申込みください。

☆お名前、ご住所、「生還」希望、と記載ください
☆お一人様1冊とさせていただきます。

(2020年8月15日投稿の内容を再投稿いたします)

「こんな時計があったのか!」シリーズ【番外編 ミニッツリピーター】

伝統的な機械式時計の中で、数々の複雑機構としてトゥールビヨン、永久カレンダー、ミニッツリピーターなどが上げられます。
その中でも操作することで時刻を音でも知ることができるミニッツリピータは、最も製作が難しく 音色を五感で感じる芸術性をも有するものです。

ムーブメントの中の小さな部品による連携でハンマーとゴングを打ち鳴らす驚異的に小さなその精密機構は、絶対にイミテーションを作ることが出来ない、未来に向けても大変稀少なものとなっていくでしょう。
私は長い経験から様々なミニッツ リピーターを扱ってきましたが、その一部をご紹介したいと思います。(画像は引用させて頂いたものもございます)

AUDEMARS PIGUET
ジョン・シェーファー カリヨン ミニッツリピーター

 

25年位前に取扱い お客様にご納品した事を今でも鮮明に覚えています。
小型クッションケースから奏でられる3連音のカリヨンリピーターに、当時驚きました。
音は小さめですが、小型のオルゴールのような音色でとても美しい時計でした。

 

参考画像ですが、同じ ジョン・シェーファーならオリジナルに近いこのモデルがやはり趣があって良いですね。

 

遥か昔、アメリカの実業家・ジョン・シェーファーオーデマ・ピゲ社にリクエストしたモデルから生まれた有名な復刻版です。

 

JAEGER-LECOULTRE

ジャガールクルトミニッツリピーター。レバーをスライドすると、文字盤右下のガバナーが回転してゴングを鳴らします。これも25年位前の同じ頃、扱いました。
小型でレクタンギュラー(角型)なので、中のワイヤーゴングも円型ではなく構造的に残響音の少ない硬い音がしたのを覚えています。

独創的 且つ革新的な時計を創るFP Journeのリピテーション スヴラン ミニッツリピーター

40㎜でコンパクトにまとまり軽く優れたリピーターでした。
ジュルヌ氏はリピーターにはスチール側が最も適していると何度も言ったことを思い出します。
リピーターの作動中にレバーを引いても壊れないセーフティー機構が付いていました。

ケース径:40㎜、ケース厚:8.65㎜
ステンレス製、手巻き

 

BLANCPAIN
ヴィルレ パーペチュアルカレンダー付 ミニッツリピーター

ケース径:33.8㎜、Pt、自動巻

若かりし頃 この時計を扱った時の興奮は大変なものでした。
発表当時、永久カレンダーにリープイヤー(潤年)表示がないことをブランパン社に指摘し、後に改善されました。小さく複雑な構造で 音色は小さめでした。

 

BLANCPAIN
ヴィルレ ミニッツリピーター

 

ケース径:33.8㎜、シンプルな手巻き
これは過去扱ったブランパン 6マスターピース
(異なった機能を全て同一ケースサイズに入れた6本のコレクション)の中の1本です。
上品且つ エレガント。6マスターピースは当時ブランパンを再興させたJ.C.ビバー氏の傑作コレクションです。

 

ダニエル・ロート
ミニッツリピーター 手巻き 2針

ケースサイドのスライドレバーはまっすぐ下がり、リピーターを打ち鳴らします。
当時のDRのフォルムをそのまま変えることなくリピーター機能を見事に設計に盛り込みました。
レバーが少し重めの薄く小さめの時計でした。

 

スイス 時計製造の聖地と言われる ヴァレド ジュウ地方。そこにダニエル・ロートのファクトリーは有りました。(今もブルガリ社のファクトリーとして継承されています)

写真はキャリオン ミニッツリピーター トゥールビヨン RG

 

これは上記のリピーターを初め、ジェラルド・ジェンタのリピーターを製造するファクトリーの流れを汲むもので、ダニエル・ロートがブルガリの傘下になってから近年 制作発表されました。
トゥールビヨンも内蔵し、更に3つのハンマーを持つカリヨン リピーター。ハンマーが表面から見える構造にするのも製作の手間が倍近くになります。
実に迫力のあるグランドコンプリケーションと言えるものです。

 

こちらのBrogもご覧ください≫≫≫時計製造の聖地、ヴァレド・ジュウ「ジュウ渓谷」とラショードフォン | KAMINE 社長ブログ | 神戶三宮 正規時計宝飾店カミネ

 

 

そして今、その名門ファクトリーはブルガリの傘下となっています。そこで製造されている最新型のオクト ミニッツリピーター。

新しい方式を開発した極薄型ミニッツリピーターです。
リューズの逆回しでリピーターの動力を巻き上げ、左側のプッシュボタンでリピーターを作動させます。
開口されたインデックスから音色が より聞こえやすくなっています。
従来から音を鳴らす為にケースサイドにあるスライドレバーの溝をなくし、レバーではなくボタンで鳴らすリピーターとして設計されました。それにより防水性(防汗性)の弱さを大きく改善しました。
加えてチタンケースによる軽量化で日常使用に適したミニッツリピーターを誕生させました。

 

ブルガリこのモデルはカミネ111周年に“ONE ONE ONE”というテーマでトゥールビヨン、ミニッツリピーター、スケルトンの3本で1setのワンオフセットの内の1本。
音楽家、坂本龍一様とのコラボでブルガリ×カミネで製作しました。

 

 

インデックスの「1」がゴールドに。8の位置に音符を配しました。

 

ジェラルド・ジェンタ

ヴァレド ジュウに存在した有名なデザイナー ジェラルド・ジェンタ氏のファクトリー
古い時代の懐中時計にしかなかったリピーター機能が腕時計にも装填されるようになり、少しずつ市場に出るようになった頃の珍しいオーバル型のリピーターです。
薄くエレガントな印象でシースルーバックから見える彫金も見事なものでした。レバーも滑らかに軽く薄型で小さい割にとても美しい音色を持つミニッツリピーターでした。

 

ジェンタデザインの特徴的なゴールドのブレスレットは革ベルトに変更することも出来ました。
小さくて薄いので、ベルトを外した状態で小さな懐中時計と間違われ、箱の隙間に入り込み しばらくの間 行方不明の大騒ぎになった事を思い出します。。。

 

A.ランゲ&ゾーネ
ツァイトベルク ミニッツリピーター

質実剛健なドイツの風合いをはっきりと感じさせるA.ランゲ&ゾーネの名作ツァイトベルクに鳴り物を加えた画期的な時計です。
15分毎のクォーターとは違い、10分毎の10進式のリピーターなので時刻通り10分刻みで回数ゴングが増え、より分かりやすく時刻を知ることができます。
画像の12:44であれば、12回→4回→4回とゴングを打ちます。
ツァイトベルクは、パネルの瞬転式で時刻を毎分示すだけでも 大変なトルクを必要とする上、リピーターのハンマーまで作動させる このモデルは驚愕ものです。

PATEK PHILIPPE

そしてこれはPP3939 トゥールビヨン ミニッツリピーター

20年以上前に実品がカミネに来て、その素晴らしく力強い音色に感動。
サイズ、厚み、手首に響く位 強いハンマーとゴングによる大きなリピーターの音色。
トゥールビヨンまで内蔵したムーブメントの設計、その美しさ、ダイヤル上の針、インデックス、グランフーエナメルダイヤル。

どれをとっても私の接した時計の中でも、過去最高の時計のひとつに間違いありません。

素晴らしい時計を扱う機会を与えて下さった
お客様方に心から感謝を込めて。

 

兵庫の名門ゴルフ場 ”小野ゴルフ倶楽部”

爽やかに晴れたある初夏の一日。
親しいお客様にお願いして、地元 兵庫の名門ゴルフ場 小野ゴルフ倶楽部に連れて行って頂きました⛳

名門と言われるゴルフ場には風格と共に独特の空気が流れ、非日常感をより一層 高揚させます。

 

小野ゴルフ倶楽部で強く印象に残るのが難しいショートホール
貫禄のあるチャンピオンコースに絡むそれぞれのショートホールは18ホールに変化をつけ、ラウンドをよりダイナミックにします。

池の向こうに見える幅のせまいグリーンのショートホール
取り囲む池には蓮の葉が浮き、綺麗な水仙の花が彩りを添えます。

大きな鴨池(湖)にせり出したパー3のグリーンはめったに見たことのない景色の中、独特なプレッシャーを受けます。

そして名物ホールとも言える松林を越えて挑む200ヤードを越えるパー3

はるか先のグリーンに近付くほど狭くなり、正確で長い距離のショットが必要となります・・・冷汗💦。

 

小野ゴルフ倶楽部は名門 廣野ゴルフ場の姉妹コースで、1961年来の歴史でアマチュア含め数々のトーナメントが開催されています。設計は名匠 上田治氏。
晩秋~春にかけて数千羽の鴨が飛来する大きく美しい鴨池を配したゴルフ場を作りたいという地元の強い要望で、大規模に造成されて完成しました。

 

練習場は広々としており、山肌に向けフラットなレベルで打席が用意されています。

 

スタートホールの近く 松林の合間に鎮座する乾理事長の銅像と、1961年の頃のままと思われる歴史を感じさせるクラブハウスは、建物が決して自然の景観を妨げないよう目立たない佇まいになっているのだと感じます。

 

随所に手入れの行き届いた広大な日本庭園のような印象。その美しく堂々たる景色に見とれてしまう小野ゴルフ倶楽部

ゴルフはスコアより健康の為と公言しつつ心の中では一打でも少なく、という欲が出てしまう。
それがゴルフというスポーツをより一層難しくするんだなと・・・いつもながらそんな事を考えていたゴルフ場の一日をご紹介いたしました。

 

○○様、ありがとうございました。
是非またご一緒下さいね☺

小野ゴルフ倶楽部»»http://onogc.jp/course/course.html

カミネ»»https://www.kamine.co.jp/

 

 

 

 

 

 

 

 

「本をひらく、世界がひらく」

神戸 東遊園地に新しく誕生した
「こども本の森 神戸」

建築家 安藤忠雄さんからの寄付で誕生した
子どものための文化施設です。

 

安藤建築らしい佇まいは、近代的でモダンな様相。
世界各地にある図書館に一歩も引けをとりません

 

参照:
安藤忠雄公式サイト
「安藤忠雄建築研究所」
http://www.tadao-ando.com/

(※写真はBVLGARI OCTOイベントにて撮影させていただいたものです)

 

デジタル化の進む昨今、次代を担う子どもたちが書籍で自由に活字文化に触れ、
感性を磨くこと そして創造力を育むことを願って今年3月に開館されました。

 

神戸のトレードマークの一つ「花時計」が正面に。
思わず撮りたくなるうさぎの花の文字盤にほっこり。

 

余談ですが…

この花時計は、1950年代当時の神戸市長が日本で初めて製作の計画が立案され、誕生しました。
計画を提案した当時の市長は、スイス ジュネーブのイギリス公園で見た花時計に着想を得たのだとか。

 

施設周辺にある本のモニュメントに
「本をひらく 世界がひらく」 という言葉が綴られています。

これは“多くの本を読み、それを心の栄養に人生に豊かさが生まれる”と言う安藤氏考案のフレーズ。

 

隣接する森の中のフレンチレストラン
「VILLA BLANCHE(ヴィラ・ブランシュ)」

このエリアで散策を楽しみながら、ランチやディナーをお楽しみいただくこともできます。

 

この施設は、震災から25年が経ち 沢山の教訓を継承することや、
ウォーターフロントと都市をつなぐ意味も込められています。

今この地区は大改造中で、間近となった神戸市民の“大公園” 「東遊園地」の完成が楽しみです。

 

大好きな神戸の街が次の世代にも愛され、
ここに生まれてきてよかったと思える街であり続けることを心から願って…

2022,初夏にて

オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」誕生50周年記念エキシビション

 

今、オーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」誕生50周年記念エキシビションが東京ミッドタウンで開催されています。

スイスのオートオルロジュリー マニュファクチュール、オーデマ ピゲのアイコンウォッチである「ロイヤル オーク」2022年4月15日に誕生50年を迎えました。
テーマは「見て、触れて、学ぶ」

「ロイヤル オーク 時を刻んだ50年」
と き:2022年4月15日(金)~6月5日(日)
ところ:21_21DESIGN SIGHTギャラリー3
(東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン)休館日:会期中無休
開館時間:11:00 – 19:30(19:00 最終受付)
入場料:無料(事前予約優先)
主催:オーデマ ピゲ
事前予約をお勧めいたします。ご予約はこちらから↓↓
https://borninlebrassus.audemarspiguet.com/ro50event

 

スイスの山奥の集落、ル・ブラッシュで1875年に創業したオーデマ ピゲは、複雑時計を得意とするブランドとして世に知られていますが、多くの時計メーカーとは異なり、今なお創業者一族が経営に携わっている類稀なオートオルロジュリー マニュファクチュールであり、世界3大時計ブランドとして知られています。
そのオーデマ ピゲが、半世紀前 1972年に満を持して発売した「ロイヤル オーク」

 

写真は50年前の発表時の頃の初代ロイヤル オーク。(スイス本社のミュージアム所蔵)

長年の経年変化で文字盤はグレーが退色してこのような色になったとか・・・。長い歴史を感じさせます。
(その後 50年に亘り 飛躍的なアップグレードを繰り返し 近年のモデルは文字盤の退色は勿論ありません)

「ロイヤル オーク」は、様々なサイズや素材を用いて進化しながら、歴史深いクラシックモデルとしてではなく、常に時代を牽引する先駆者のような名品として、世界中の人々から愛されています。

誕生当初、ロイヤル オークは“スティール製なのにゴールド製の時計より高い“革新的すぎる”“サイズが大きい”など、その攻め過ぎたコンセプトから、「革命児」として評され、賛否が分かれました。

しかし時が経ち、ロイヤル オークは支持され続け、高級時計において「ラグジュアリースポーツウォッチ」
という新しいジャンルを確立する「英雄」のような存在になりました。

写真は数々の稀少なビンテージモデル。

そんなロイヤルオークが刻んだ50年を紐解くミュージアム会場へ・・・
まずは八角型のミステリアスなゲートをくぐって中に誘導されます。

 

会場内には過去のロイヤル オーク ビンテージの他、50周年を記念して僅かに製作された巨大なメモリアルブックや高度な技術を駆使してロイヤル オークが製作されていく様子が動画で放映されています。

 

 

こちらのイメージ写真は注目のムーブメント7121を搭載したロイヤル オーク“ジャンボ エクストラシン”
タッチ&トライできるコーナー。
実機を見る機会は殆どありませんので、これは貴重な体験です。

 

APロイヤル オーク QUIZ
チャレンジし見事10問 全問正解するとロイヤル オークのボールペンが贈呈されます。

これ、とても難易度は高いです!

 

奥のスペースにはテクニカルルームが設置され、APの正規エンジニアに教えてもらいながら ごく一部ですが、ロイヤル オークを製作する体験ができます。

 

早速、APの白衣を着せてもらい、古くからある“ペルラージュ”と呼ばれる仕上げ作業にチャレンジ。
工作機械を使っての作業ですが、間隔と圧力のかけ方が難しく、均一にペルラージュ仕上げを施すのが如何に難しいかよくわかりました…汗

ペルラージュというこの装飾は、真珠模様に見えることからそう呼ばれます。

 

そして次はサテン仕上げの実習。

紙やすりの上にベゼルをのせ、まっすぐ縦に引くことを何度か繰り返す作業で、
これもペルラージュ同様 圧力のかけ加減が難しく、なかなか綺麗なヘアラインになりません・・・。

スイス製の紙やすりを使用する徹底ぶり!

 

簡単そうな手作業が実は最も難しい・・・。
高い品質を維持しながら、脈々と続くスイス時計産業の凄さを感じさせられます。

 

最後に一連の体験で出来上がったロイヤル オークの八角形のベゼルにAPエンジニアの方がさっと革紐を通し、ペンダントにして下さいました!

 

世界にひとつしかない素人細工(笑)のロイヤル オーク ペンダント
良い記念になりました!

 

会場内にあるバーチャルカメラ(?)
こんな写真を写してすぐにスマホに送ってくれます!

Congratulations!
AUDEMARS PIGUET  ROYAL OAK!
次なる100周年を目指して、この名作の進化をこれからも期待します

是非、カミネ元町店2F AUDEMARS PIGUET Salonへお立ち寄りください≫≫≫
https://www.kamine.co.jp/shop/motomachi2/

AUDEMARS PIGUET Collection≫≫≫https://www.kamine.co.jp/audemars-piguet/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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