優れたバランスで座りがよく安定感のあるこの時計は、
見入る程に心が落ち着いてきます。
リューズの位置と形、カリカリという軽やかな巻き感。
そしてしっかりとインデックスを指し示す、丸く立体感のある長短針。
人にたとえるなら文字盤は顔、ケースを身体とすれば、美しい肌に目鼻立ちのはっきりした上品な美人。
その上、シェイプされたケースは見事なバランスのスタイリング。
「うっとりと見とれてしまう」
ローラン・フェリエの時計をじっくり眺めていると、
そんな心境になります。
勿論、魅力は外見だけではなく、優れた性能も特筆ものです。
ケースの造形美、ムーブメントの美しさは時計の価値に大きく影響しますが、時計である限りは狂いが出ない精度の高いものを目標に、設計、製造するというのは、時計師の見識というものでしょう。
写真は、ローラン・フェリエ展 トークイベント より。
トアロード店2Fにて。
ローラン・フェリエ ガレ・クラシック・トゥールビヨンは、
美しさに“高精度”というテーマをつけ加えたまさに才色兼備な逸品
ダブルヘアスプリングを搭載した上に、トゥールビヨンによる姿勢差制御で、機械式時計として最高レベルの精度を発揮します。
トゥールビヨン機構は、太陽の紫外線によるオイルの劣化を避ける為に、表には出さないという理由もひとつにはありますが、トゥールビヨンは限りなく高い精度を出すためのひとつの装置に過ぎないと定義し、それ以上に時計として見やすく、美しい顔を持つことを優先した、ローラン・フェリエの「真に良い時計」の意味を再考させられました。
この時計は、発表されてすぐ2010年度ジュネーブグランプリ、メンズウォッチ部門に選出されました。
極めて厳しい審査のジュネーブグランプリで、発表後すぐアワードを取ることは快挙なのです。
そしてもうひとつの機種。ガレ・マイクロローター
(GALET ガレというのは仏語で丸い小石のことを言います)
この機種もしっかりとしたテーマで設計製造されたベーシックモデル。
ナチュラル脱進機をよりシンプルに改良した「ダブルダイレクト脱進機」を搭載し、
巻き上げ効率(パワーリザーブ72時間)を高めます。
このムーブメントは先々で複雑時計のベースとして組み込まれる予定です。
翌年の準ジュネーブグランプリに選出されたこのモデルも、
時計として原則的な美を感じさせ、シンプルながらも独特の色気を宿したモデルと言えます。
印象に派手さはないですが、薄くスタイリッシュなボディ(ケース)に、
高性能のエンジンを搭載したスーパーカーのような時計です。
地板の裏も全く手を抜かず、丹念なペルラージュ仕上げが施され、
プレートのコートドジュネーブとの見事なコントラストは、作動するエスケープメントの動きをより華麗に見せます。
大手メゾンでは、なかなか採用できない新たな機構をどんどん採用できる独立系メゾンには、
その強い個性と共に「人の思想が伝わるモノ」としての魅力が備わります。
トークイベントでは、時計そのものの事に加えてLF社の成り立ち、
今の環境のことなどから、スイス時計業界で如何にローラン・フェリエさんが尊敬され、愛されているかよくわかりました。
当日のゲストコメンテーター、広田さんにも感謝です。
このたび、ローラン・フェリエは正式にカミネ・トアロード店で取扱いをスタートいたします。
この素晴らしい時計について、いつでもお問い合わせ下さい。
係;トアロード店2F 栖川(スガワ)、蔦井(ツタイ)