まもなく始まる2016年バーゼルワールド。
その前に1月のジュネーブSIHHについて、おさらいをしてお伝えします。
本日はその“PART①” をお届けします。
毎年開催されるジュネーブSIHHは、まもなく始まる3月のバーゼルフェアと並んで、世界最大の時計新作発表イベントです。
今年は厳寒、氷点下、積雪の中、いつものジュネーブ空港近くのPalexpo(パレクスポ)でスタートしました。
出張中はとにかく寒く、暗くどんよりした日が続きました。
ここ数年来より中国人が減ったせいか、全体的に静かな印象・・・。というか普通に戻ったという感じでしょうか。
最近の世相を反映してか、いつもより警備が厳重!?
ジュネーブSIHHは、事前登録など、バーゼルと比べると入場制限は格段に厳格です。
そんなムードを一気に和らげる会場の華やかな空気感。
各メジャーブランドの各展示ブースのインテリア、ディスプレイは、競い合ってその世界観をアピールします。
会場に入ってすぐのところにあるこのエントランスは、今、世界的に話題をさらうリシャール・ミル。
キャビンアテンダントのコスチューム。
その訳は・・・。
今年の目玉モデル「エアバス」のプライベートジェットの機内とメカニズムをガラスにエッチングしたデザインが特殊な空間となったメインステージとなり、受付からその演出をしているためなのです。
リシャールの今年の目玉商品。
世界最大級の航空機メーカーのひとつ”Airbus社”とのコラボモデル。
ジェット機のエンジンタービンに使用されるチタンアルミ合金を採用し、機体の窓をイメージしたベゼルや、航空宇宙産業で使用されるトルクセットスクリューをケースネジに採用するなど、エアバス社が手掛けたデザインを随所に見ることができます。
RM50-02 FRONT RGB
ケース径:50.10×42.70×16.50㎜
チタン アルミニウムケース
手巻き、ATZホワイトセラミックベゼル
予価:131,200,000(税別)
限定:30本
数多くのリクエストに応えた日常使用しやすい薄型フラットモデルが発表されました。
薄型に設計された自社ムーブメントは高い性能を誇ります。RM005より薄くスマートに。
下)RM67-01 オートマティック エクストラフラット
ケース径:47.52㎜×38.70㎜×7.75㎜
チタンケース
自動巻
予価:¥10,476,000(税抜)
例年 出会った早々からリシャール・ミル氏は最新作をまずは私に見せて、「TORU!どーだい!?」と。
限定50本で出た、話題のRM011のレッドモデル。既に完売とか・・・。
会場内を歩くと、ひときわ目立つA.ランゲ&ゾーネ社のエントランス。
毎年の新作目玉商品が巨大なオブジェとしてゲストを迎えます。
毎年テーマとして入れ替わるこの巨大な時計は、時分が実作動するのもランゲらしいところ。
カレンダーなども毎日 正確に変化します。
A.ランゲ&ゾーネの日本の責任者、エドモン社長によるプレゼンが始まっていきます。
ランゲの解説にはメカニズムに対して特に深い知識とわかりやすい解説が必要です。
ランゲ社の昨年秋のグラスヒュッテの新工場が落成の日には、ドイツのメルケル首相も訪問されました。
その今年の目玉商品がこれ。
フライバッククロノグラフと瞬転式パーペチュアルカレンダー。
そして特許技術のストップセコンド機能付トゥールビヨンという3つの超複雑機構を融合させた究極のモデル。
ランゲ社技術の結晶とも言えるグランドコンプリケーションです。
ダトグラフ・パーペチュアル トゥールビヨン
ケース径:41.5㎜ 厚み14.6㎜、プラチナ
手巻き
予価:295,000ユーロ(ドイツのVAT 19%税込)
限定:100本
そして、今年のSIHHの新作群の中でも特に注目を集めたのがこの新作。
左下に時、右下に分、中央に秒が独立して表示されるレギュレーター。
中央のセコンド針はステップセコンドとして、長い秒針は1秒1秒歯切れ良く運針します
リヒャルト ランゲ ジャンピングセコンド
ケース径:39.9㎜ 厚さ10.6㎜、プラチナ
予価:78,000ユーロ(ドイツのVAT 19%税込)
限定:100本
ル・モントワール機構内蔵。
SIHH会場の一番の華、“カルティエ”の壮大なエリアで展開します。
会場全体の中でもひときわ大きな面積を占有するのがカルティエ。
ラグジュアリーなジュエリーウォッチに加え、この数年来 力を入れているメンズラインが年々充実。
ブースまわりを飾る外側ショーウインドウのディスプレイはメルヘンの世界を具現化したような美しい空間の中に、カルティエの名作の数々が飾られます。まさにプロの仕事。
新作のひとつはメンズライン。
コンセプト“ドライブマン”は本能に忠実で、活動的、それでいてエレガントなスタイルを持つ男性をイメージして開発されました。
珍しいクッションスタイルのケースに、カルティエらしいムードが宿ります。
ドライブ ドゥ カルティエ
ケース径:40㎜ K18PG
自動巻
予価:¥2,200,000(税別)
2014年にワンショットモデルとして発表され、人気を集める中、入手困難だったバロンブランが再びリリースされました。
手に入れられなかった方にはオススメです。
バロンブラン ドゥ カルティエ
ケース径:24㎜、K18PG
クオーツ
価格:¥4,730,400(税込)
朝早くからのハードな商談スケジュールを終えたら各ブランド主催の会食ディナーに向かいます。
世界中から集まったゲストは様々な工夫をこらしたディナー会場へ。大渋滞のジュネーブ市内をバスで移動中!
会食を終え、ホテルに帰るのは12時近くになる事も。
ディナー会場のひとコマ。
こういう場では、本社の技術者の方々との貴重な意見交換の場ともなります。
日本の時計愛好家の方々に喜ばれる時計製造へのヒントや改善などをどしどし意見を出します。
次の日の早朝。
冬のジュネーブの夜明けは遅く、7時過ぎからようやく明るくなりますが、大半の会社はすでに灯りがともり、道路は車も多く、仕事が始まっている様子です。
冷たく張りつめた空気は、ジュネーブ市内の美しい景観を生みます。
2日目。朝から各ブランドの商談がスタート。
ひとつひとつの商品情報をしっかりとデータ化して皆様にいち早くお伝えする仕事。
それと、年間のオーダーをする仕事。それらが主な業務。
私はずっとこれらを昔は一人でやっていました。
今はもう到底ムリな情報量です。
スタッフが大半の仕事をこなしてくれます。
この続きは後日、PARTⅡとしてアップいたしますので、どうぞお楽しみに。。。
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