2025年1月17日 午前5時46分
震災から30年
あの日を生涯 忘れない。
阪神淡路大震災から30年が経ちました。
あの体験を語り継ぐことの大切さを改めて感じ
当時のことをほんの少しですが お伝えできればと思います。
当時のカミネは、トアロード本店とさんプラザの2店舗。
大震災発生後しばらくは先代の父親とともに自宅から店まで
17-8kmの距離を自転車で通う日々でした。
今だから話せますが、発生直後の道中 火事で燃えながら
廃墟に変わろうとする長田区の光景を横目にみて、
涙が溢れ 止まらなかったことを思い出します。
初めて経験する込み上げる気持ちでいた。
写真は当時の全壊したトアロード本店。
扉も暖房もない厳寒の吹きさらしの店頭は埃まみれ
その店先に立ち、三宮神社の上 寒風で舞う雪を見た時
このままずっと春は来ないのではと思いました。
何とかしなければという気持ちから
全壊した店の軒先で戸板の上に白いシーツを敷き、
目覚まし時計を大量に仕入れ 一個1000円。
販売のつもりが、大半は被災者の方々に無料で配りました。
商売しなければという切迫した思いが 人助けの心に変化していきました。
すぐ近くの大丸神戸店も全壊で周辺は真っ暗
そんな最中 少しずつ当時のお得意がお越しになられ
色々なお話しをすることが出来ました。
西宮まで自転車で商品を届けたこともありました。
荒れた道のりは危険で随分時間がかかりました。
それはパテックフィリップの時計でした。
5時46分で時を止めてしまった、当時の回転時計。
震災後の今も、この時計は 倉庫で保管されています。
過去、朝日新聞が取材に来られました。
震災以降カミネにとって本店のこの位置に
壁面時計を再び掲げることはひとつの大きな夢でした。
そして2018年の1月17日 偶然にもこの日に工事が行われ
新しい壁面時計がトアロード本店のその場所に誕生しました。
その時計は世代を超えて愛され続ける「パテック フィリップ」のもので
今 周辺のランドマークになって時を刻んでいます。
震災から30年
神戸は直後から世界中 日本中からの支援を受けて
徐々に徐々に復興していきました。
復興はまだまだ完全ではありませんが、
その頃からの助け合いの「心」を大切に
これからも美しい街づくりに努力していきたいと思っています。
あの後 起きた東日本大震災 熊本地震そして昨年の能登半島地震
つい先日は宮崎…
次々と起きる震災大災害で被災された方に心からお見舞い申し上げます。
「震災を語り継ぐこと」 そのことが「備えあれば憂いなし」に繋がっていく事を切に祈って…。