レギュレーター・タイプの時刻表示を備えた年次カレンダーで、以前からあったホワイトゴールドモデルが2019年に生産終了になり、同年こちらのローズゴールドモデルが新たに発表されました。
文字盤は縦サテン仕上げが施されたグラファイト(黒に近いグレー、鉛筆の芯の色)とエボニーブラックの2トーンです。
このグラファイトの部分は、光の当たる角度によりシルバーに近い明るいグレーに見えたり真っ黒に見えたりします。
マイクロローター搭載のムーブメントは、一見するとCal.240のように見えますが、
実はこのモデルのために開発された全く新しいムーブメントのCal.31-260 REG QAになります。
このムーブメントには《パテック フィリップ・アドバンストリサーチ》部門が開発した技術が反映されており、Silinvar®素材から作られたPulsomax®脱進機(ガンギ車とアンクル)とSpiromax®髭ぜんまいにシリコンを主原料とした新素材が使われています。
シンプルなデザインのケースサイズは直径40.5ミリで現代的な大きさ、またピンバックルにもパテック フィリップのブランド名が刻まれており、さらに特別感を高めています。
レギュレーター・タイプの時刻表示とは、時、分、秒の針が独立した(同軸ではない)配置で、それぞれの針が読み取りやすい表示の事を言います。
ところで、この『それぞれの針を独立させる』という、読み取りにくい時刻表示方法が どうして存在するのでしょうか?
それはムーブメントの歩度調整に用いられる電子機器がまだ無かった時代に、調整のための基準時計に採用された表示方法でした。
時計製作者あるいは修理者など時計の歩度を正しく調整をする必要のある人にとって重要なのは時針ではなく秒針でした。もし時針がセンターにあると約4時間ぐらい秒針に重なる時間があり、調整のため秒針を見る事の邪魔になったのです。
当時の基準時計は複数の時計師が見られるよう大きなクロックでした。
この5235/50モデルはこのクロックからインスピレーションを得てデザインされています。
ぜひ実際にモデルをお手に取ってご覧いただければ、パテック フィリップの魅力をさらに知っていただけると思います。
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