時計のムーブメントの地板から歯車までほとんどの部分を、完全手作業により作りあげる、
至高の独立時計師フィリップ・デュフォー氏。
フランスとの国境沿いにあるジュウ渓谷、ル・サンティエという小さな街で生まれ育ち、
現在もこの地にアトリエを構えています。現在は休みなく朝から夜まで「一生使ってもらえて、
壊れにくい3針時計」こと『シンプリシティ』の製作に全力を注いでいます。
(シンプリシティの受注受付は終了しました。)
日本にも熱烈なファンを多く持つデュフォー氏は個人作家であり、ほとんどの作業を彼が手掛けます。
今回、デュフォー氏から、「バーゼル・ワールド2010」の会場で話を伺うことができました。
シンプリシティをオーダー待ちしてくれている方に・・・
「2000年に完成した1号機も、現在作っている作品も、同等のクオリティを維持するため、
すべて全力を注いでいます。私の作品が日本でも、多くの人から支持してもらえるのは
信頼によるものです。だからこそ、自分の性分からいっても、いい加減なことは絶対にできない。
信頼を得るためには大きな努力と積み重ねが必要です。時間もかかる。
けれど小さなミスの放置などにより、こうした評価は一瞬にして消し飛んでしまいますからね」
・自作についての構想・・・
「シンプリシティは現在、年産15個ほどで、2012年まで作る予定です。
次の作品の構想はいろいろありますが、来年には発表したいと考えています」
デュフォー氏のもとには、受注終了後の現在も世界中から、メールや電話などで
「シンプリシティ」をはじめ、2つのテンプを有する「デュアリティ」などの注文が寄せられているそうです。
今年は来日のオファーがあるそうで「皆さんとお会いできることを楽しみにしています」と話してくれました。