すっきりしない天気が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
以前にご紹介した京焼の「陶葊」さん。
今回念願かなって、本店工房を見学に行ってきました。
本店がある東福寺はとても静かでそこを散策するだけで何だか日常のあわただしさが吹き飛ぶ感じがします。
東福寺には窯元がたくさん有り、紅葉の頃にはあちらこちらで焼き物を販売しているので、
通るだけでも楽しそう♪ と、また秋に向けて心が躍る私です。。。
さてさて、いよいよ工房へ。
私が行った時間は残念ながら水引き(ロクロ)作業を見る事が出来なかったのですが、
ここで私の好きな器が作られているのかなぁ・・・と思うと感動しました。
化粧掛けとは、、、白い土を水で溶いたものを生地に掛けます。
本来鉄分の多い土を白く見せる為の方法ですが、陶葊さんでは1つの装飾技法として行われています。
実は私、もちろん陶葊の柄も好きなのですが、この化粧掛けに惚れ込み、化粧掛けの具合によって器を選んだりしています。
他の焼き物にはない風合いがこれまたたまらない!!
語りだすと止まらなくなるので、次へ。
いよいよ「下絵付け」です。
焼きあがった素地に「骨書き」と呼ばれる線描きをしている所です。
陶葊さんでは一人の職人さんが、ひとつの作品の下絵付けから上絵付けまで一環してされているそうです。
「あっ!!」
お気づきになられた方もいらっしゃると思いますが、時計のエングレービングと一緒ですね。
2009年7月のイベントで”A.ランゲ&ゾーネ”のエングレーブ実演会でも見て頂けたかと思いますが、エングレーブする方によって、同じように彫っても個性が出て誰がその作品を作っているのかわかるという!!
何だかそういうのがわかると、一層愛着がわきますよネ
さらに焼きあがった素地に金彩・銀彩・赤絵などを施し、最後にもう一度窯で焼成。
一連を見せて頂き、また感動
こうやって、一つ一つの作品が出来上がっているかと思うとより一層大切にしようと思います。
なんだか感動の連続で胸がいっぱいになりました(嬉)
工房見学がおわり、改めて作品を見ると、、、
また今までとは違った感覚で作品を見る事ができ、じっくりと1つ1つの器の表情を楽しむ事が出来ました。
~陶葊の焼き物が出来るまで~
1、成型(土もみ・水引き・削上げ)
↓
2、化粧掛け
↓
3、素焼き
↓
4、下絵付け
↓
5、薬掛け・本焼
↓
6、上絵付け
↓
7、完成
大量生産で価格の安い物がたくさんある時代となりました。
しかし、その一方では昔から変わらず職人技が光る品物も存在します。
どんな品物もそうですが、一つ一つの品に手をかけ作り上げられる作品と言うのは、やはり価値のあるものなんですね。
時計も器も・・・手間隙掛けてつくられ、それを知り、手にする喜び、そして愛着を感じながら末永く愛用していきたいと思いました。
今回の陶葊さん工房見学。私が少し成長した気がします
皆さんも京都に行かれた際は是非「陶葊」に一度お立ち寄りくださいませ。
※「陶葊」の皆様、見学をさせて頂きありがとうございました。