ジュネーブから車で約2時間、スイス・ジュラ地方の海抜1000mの高地にある
静寂の村ル・ロークルにモンブランのファクトリーがあります。
アール・ヌーボー時代1906年の建物。その地下が大きく造成され時計製造のファクトリーになっています。
そして、1~3Fまでは、ゲストルームや企画室などがありますが、
建物内も古い佇まいを残したままで、スイスで最も美しいファクトリーの一つと言えるでしょう。
地下のファクトリーは外に向けた全面ガラス張り。
緑に包まれ光がふんだんに入る設計となっています。
ここで四季の移ろいを眺め、眼を休めながら
ウォッチマイスターたちが、時計製作に情熱を傾けているのです。
延々と部品を研磨したり、超微細なパーツの仕分け、検品など、
女性が従事する事がスイスでは一般的です。
どの方も若くて美しい。
ここで作られた自社初の機械式ムーブメント
“ニコラ・スターリューセックMBR200”の完成品。
これからケースに組み入れていきます。
ここまでくるのに極めて厳格で気が遠くなるような緻密な製造工程があります。
伝統的なコラムホイールメカニズムと垂直ディスククラッチを搭載しています。
こちらはモンブランの人気モデル“タイムウォーカー”のダイヤル。
完全に高級品の領域に入るクオリティです。この時計はダイナミックでありながら、
決して派手に主張しない都会的NICEな時計と言えます。
今年は少し小さめのサイズも出ました。
ほぼ完成。
クォリティチェックを終える直前のスターオートマティックたち。
高級ブランドにあるハンドメイドの一級品と同様。
ひとつひとつにシリアルナンバーで管理され、
テストを受けるものはプロダクト・プロセスの履歴を含め
全て厳しくチェックされます。
デザイン企画室で見たスター・リューセックの完成原画。
設計はCGを駆使しますが、先ず初めの書き起こしは手書きのスケッチから始まります。
モンブランは様々なジャンルで超一級のものが採用され、
クオリティは価格レンジからするとずば抜けたコストパフォーマンスを持ちます。
リシュモン・グループ(カルティエ、A.ランゲ&ゾーネ、ヴァンクリーフ&Aなどを
傘下に収める企業体)内で、全世界の収益力がカルティエに次いで2番目の
有力ブランドのモンブラン。マーケティング政策により、時計は品質に対して
とても魅力的な価格設定となっています。
こちらの商品はル・ロークルのファクトリーではなく、
ラ・ショード・フォンの時計博物館で開催されていた「クロノグラフの歴史展」で撮影しました。
1821年にニコラ・リューセックにより発明された世界初のクロノグラフに着想を得て作られたのが、
このスター・リューセックなのです。クロノグラフの歴史はこのディスクターンによる仕組みから始まったと言えるのです。