KAMINEスタッフブログ

ローマンゴティエ　”THE EVOLUTION OF TRADITION”

UPDATE: 2020.12.30

今年も暮れゆき新しい一年が始まろうとしています。
本当に大変な一年でしたが来年は少しでも良い年、明るい年になるといいですね。
さてこんな中でも雪深いスイスのジュウ渓谷では永々と工芸品的な時計が造り込まれています。

この年最後の荷物でスイスのローマンゴティエ-アトリエから、素晴らしい作品が届きました。
それはローマンゴティエ“THE EVOLUTION OF TRADITION”です。

名作ロジカルワンのスペシャルエディションで、ムーブメントのベースプレートをブルーPVD加工した逸品です。
時刻表示機構と、動力巻き上げ機構が並列され、複雑かつ立体的なムーブメントが、
ベースプレートを鮮やかなコバルトブルーにしたことで、文字盤やテンプ、ブリッジなど全てのパーツがよりいっそう際立って見えます。

相変わらず究極のクオリティーに仕上がっているブラックエナメル文字盤（焼成エナメル）。
こちらは時分表示のメインダイヤルと、秒表示のサブダイヤルを2枚重ね、サブダイヤルを一段下げる非常に手間のかかった仕立てをしており
小ぶりながら立体感のある針と相まって本当に素晴らしい仕上がりです。

このモデルのハイライトである巻き上げ機構もベースプレートとのコントラストにより、その精緻な構造が浮き彫りとなっていて
上部のスネイルカムがフュゼチェーンを巻き上げて、ゼンマイからのトルクを均一化している様子が表面から楽しめます。

ロジカルワンに使用されるフュゼチェーンは、ルビーリンクを使用したローマンゴティエアトリエの自社製です。
最先端の工作技術により剛性が高く、摩耗に強いこのチェーンは、正確性と耐久性だけでなく、宝石のような美しさも兼ね備えて
ゆったり正確な動力伝達で時を刻み続けます。

裏蓋から見えるムーブメントも、複雑に切削された各パーツに徹底的な面取りしあげが施されており、独特な輝きを放ちます。
こちらもメインプレートのブルーによって、歯車や香箱（ゼンマイ）より美しく引き立てられています。
単に時計というより正に芸術品。
”風姿花伝”の要素のひとつ”時・分”に思いを馳せることができる時計です。