腕時計の電池交換はどこですればいいの?費用は?
交換するタイミングは?自分でも電池交換することは可能なの?
愛用している電池式腕時計をいざ着けようとしたら止まってしまっていて困ったことは御座いませんでしょうか。
そのようなことを未然に防ぐ為にも、この記事では電池式時計の扱い方も含めご紹介させて頂こうと思います。
今回の記事は以下の内容でお送りします。
是非、関心のある部分だけでもご覧くださいませ。
①電池式時計(クォーツ式時計)とは?
②クォーツ式時計のメリット
③電池交換のタイミング
④ご自身で電池交換をする方法
⑤クォーツ式もオーバーホール(分解掃除)は必要?
⑥一本は持っておきたい!クォーツ式腕時計をご紹介
⑦まとめ:適切な電池交換で腕時計を末永く
①電池式時計(クォーツ式時計)とは?
電池式時計はクォーツ式時計とも呼ばれますが、
そもそも何故クォーツ(水晶)の名前が付いているのかと言うと、
腕時計を動かしている中の機械に答えが御座います。
手巻き・自動巻きといったゼンマイが解ける力を原動力に動く機械式時計とは違い、クォーツ式腕時計は電池を原動力にして、その電圧をかけた水晶振動子が規則正しい振動を行う性質を利用した機構を積む腕時計です。
水晶振動子が生み出す振動を電子回路によって電気信号に変換し、
ステップモーターに伝わり針歯車を動かす事により針を動かしております。
②クォーツ式時計のメリット
腕時計は振動数が高ければ高いほど時を刻む精度が高くなります。
ゼンマイを原動力として動く機械式時計の振動数が毎時約18,000回~36,000回の振動に対して、クォーツ式時計の振動数は毎時約117,964,800回の圧倒的な振動数を誇ります。
その為一般的に平均日差-10秒~+20秒と言われている機械式時計に比べて、
クォーツ式時計は日差ではなくより高精度な月差で約±20秒ですので、
機械式時計に比べて正確な時刻を知る事が出来ます。
またクォーツ式時計は機械式時計よりも比較的お手頃な価格設定の物が多く、
電池を入れた状態であれば電池が無くなるまでは放置していても時を刻んでいてくれるので、使いたい時にその都度時刻や日付調整をする手間も省けて日常使いに重宝します。
③電池交換のタイミング
お使いの電池式腕時計が今は元気に動いているけれど、
突然止まったら困りますよね。
「時計が止まっていることに気付かずに会議の時間に遅れてしまった。」
「日付が止まっていることに気付かず友達との約束の日が今日だった。」
このようなことを未然に防ぐには2つ方法が御座います。
電池式腕時計に入っている電池は小さなボタン電池です。
新品の電池に交換すると一般的に平均2~3年は動きますが、
お使いの腕時計によっては機械の仕様や使われている部品が違ったり、
使用している電池が特殊な電池であったり、
電池の消耗スピードは時計により多少異なります。
【電池残量警告機能】
一部のクォーツ式時計には電池残量警告機能という
便利な機能を兼ね備えたモデルも御座います。
電池残量警告機能はお使いのクォーツ式時計の電池残量が少なくなると、
通常は1秒に1目盛動く秒針が、1秒に2目盛動く2秒運針に変わり電池残量の低下を知らせてくれます。
また2秒運針が、1秒に4秒動く4秒運針に変わったら電池交換が必要というサインとなります。
この機能はクォーツ式時計にとって非常に便利な機能ですので、
クォーツ式の腕時計の購入をご検討の際は電池残量警告機能にも注目してみると良いかと思います。
【電池の電圧を測定する】
一定期間クォーツ時計を使用して電池残量が心配になったらテスターという機械を使用して電池残量を調べる方法があります。
こちらの方法は腕時計本体の裏蓋を一度開ける必要があり、
テスターの機械が必要ですので、ご自身で作業するよりも時計店に持ち込んで作業して貰うのが良いと思います。
カミネでは電池交換や電圧測定のご用命もお承りしております。
電池交換の料金に関しましてはお使いの腕時計ごとに違いますので、
一度ご来店頂くか事前にお問い合わせ下さいませ。
電池交換は基本的に即日のお渡しが可能で御座いますので、
お買い物のついでにでもご都合の宜しい際にお気軽にお持ち込み下さい。
④ご自身で電池交換をする方法
時計店に直接持ち込んで電池交換をして頂くのが多少の工賃は掛かるものの一番手っ取り早い選択では御座いますが、ここでは「自分自身の腕時計の電池交換やメンテナンスは自分で行いたい」という方にご自身で電池交換を行う方法をご紹介させて頂きたく思います。
まず初めにクォーツ式時計の裏蓋を開ける所から始めるかと思いますが、
腕時計の裏蓋には種類が御座います。
【裏蓋の種類】
〔ねじ式〕
こちらは時計本体に裏蓋がねじで留めてあるタイプです。
ねじ式の裏蓋を開ける際は留めてあるネジをドライバーで外します。
その際に無理に回すとネジ山を潰してしまう事が御座いますので、
中々緩まずご自身では難しい場合は時計店にお持ち込み頂くのが良いでしょう。
〔スクリュー式〕
裏蓋に専用工具を使用して開ける為のくぼみやギザギザがあるタイプです。
スクリュー式の裏蓋を開ける際は、時計本体を保持器にしっかりと固定して作業を行いましょう。
固定出来た事が確認出来たら側開器の爪を裏蓋のくぼみにしっかりと引っ掛けて反時計周りに回して開きます。
ねじ穴等も無く一般的には平面の見た目ですが、
ケースと裏蓋の間に僅かな隙間があるタイプです。
こじ開け式の裏蓋を開ける際は、
その名の通りコジアケという工具を使用します。
ケースと裏蓋の隙間にコジアケの先端を差し込みます。
その時にコジアケが入る隙間が有る場合はそこに差し込みましょう。
差し込んだコジアケでテコの原理を使って裏蓋を開けます。
コジアケが入りにくい場合やテコの原理を使っても開きにくい場合は、
差し込んだコジアケをハンマーで軽く叩いて開ける方法も御座います。
【電池の入れ替え】
裏蓋が無事に開いたらいよいよ入っている電池を交換します。
裏蓋を開けると中枠という白いカバーの様な物が被せてあるかと思います。電池が中枠で隠れている場合は中枠を外してから作業しましょう。
〔様々な電池の入り方〕
・そのまま電池をはめ込むタイプ
・電池を金属の板状の部品で固定されているリードタイプ
・電池を爪状の部品で引っ掛けて固定するタイプ etc.
上記の様に時計によって電池の入り方は様々ですので、一度裏蓋を開けてご自身の時計がどのタイプに当てはまるのか確認してみて下さい。
今回はどなたでも比較的簡単に電池交換が行える基本的なはめ込みタイプの交換方法をご紹介させて頂きたく思います。
はめ込みタイプのクォーツ式時計は電池の側面に接している接触板がバネの役割をして電池を固定しております。
このバネは時計の原動力である電池を固定する重要な部品ですので、
電池を取り外す際は無理に外そうとせずに慎重に作業しましょう。
電池が無事外すことが出来たら、電池が入っていた所を綿棒等を使用して軽く掃除をしましょう。
これをすることにより電池と端子の接触をより良くする事が出来ます。
新しい電池を入れる準備が整ったら設置していきます。
この際に電池をピンセットでつかんで移動する場合は必ず電池の側面をつかんで移動させましょう。
電池のプラス端子とマイナス端子に触れるとショートしてしまう可能性が御座いますので、電池に触れる際は十分注意してください。
設置方法は至ってシンプルで、
電池を接触板にバネを縮ませるイメージで押し当てながら押し込みます。
こうして電池を入れる事が出来たら、初めに取り外した中枠を戻して裏蓋を取り付けて完了なのですが、その時に同時にパッキンの確認もすると良いでしょう。パッキンとは時計の防水性能を保つ為の部品で、パッキンが劣化していたり破損していたりすると時計の防水性能が低下し、時計内部に水や湿気が侵入して故障の原因になってしまいます。
電池交換の際はパッキンにグリスを塗布し、メンテナンスを行うことも時計を長く愛用していく上での一つのポイントとなります。
⑤クォーツ式もオーバーホール(分解掃除)は必要?
勿論、必要です。
手巻きや自動巻きといった機械式腕時計では、
〇年~〇年を目安に定期的にオーバーホールでメーカーに出して下さいといった案内を時計を購入した際に説明を受けることがしばしばあると思いますが、
クォーツ式の時計も同様に時計の機械に使われているパーツも同様で基本的に消耗品ですので、末永くご愛用して頂くためにも
定期的なオーバーホールが必要です。
クォーツ式時計のオーバーホールの目安としては一般的に7年~8年に一回、約3回電池交換を行ったタイミングでのオーバーホールを推奨致します。
⑥一本は持っておきたい!クォーツ式腕時計をご紹介
【カルティエ タンクマスト】
1917年に生み出されて100年以上の歴史があるカルティエのベストセラー「タンク」。
そのデザインは第一次世界大戦からヨーロッパに再び平穏な日常をもたらした平和の象徴である戦車=タンクを真上から見た様子から着想を得て製作されました。
タンクマストはそのデザインや機能性としても優れており、
サイズ展開もSM・LM・XLと豊富で
老若男女オンオフ問わず使い易い腕時計です。
タンクマストは約8年間の長寿命バッテリーを積んでいるので、
一般的なクォーツ式時計の電池寿命が約2年~3年に比べて約5年以上も長持ちするのも魅力的ですね。
タンクマストはステンレスブレスレットの設定も有り、
レザーベルトの取り換えもワンタッチで行える機構が兼ね備えられているので、使用する場面に応じて付け替えを楽しむことが出来ます。
【グランドセイコー 9Fクォーツ】
日本人であれば知らない方の少ない国産ブランドのSEIKO。1960年にグランドセイコーは「世界最高級の腕時計を作り出す」という決意からSEIKOの上位モデルとしてスタートし、その後2017年にグランドセイコーは国際ブランドとして独立しました。
一般的なクォーツ式時計の月差が約±20秒なのに対して、グランドセイコーの9Fクォーツはより正確な年差約±10秒という圧倒的な精度を誇ります。
機械式時計よりもトルクの弱いクォーツ式時計では太くて重い針を動かすことが困難である為、一般的に細い針が採用されていますが、9Fクォーツはツインパルス制御モーターというエネルギーを節約しつつ重い針を動かすことが可能なモーターが搭載されているので、初代グランドセイコーが備えていたような太く堂々とした針を採用しております。
その他にも温度補正プログラムの搭載やクォーツ式であっても精度調節が可能な緩急スイッチ、瞬時に日付が切り替わる瞬間日送りカレンダー等魅力が沢山詰まっている時計です。文章では伝えきれない魅力がまだまだ御座いますので、是非店頭にてご覧下さいませ。
⑦まとめ:適切な電池交換で腕時計を末永く
適切なタイミングと方法でご自身のクォーツ式時計を末永くご愛用下さい。
お近くの時計店にお持ち頂き電池交換やメンテナンスをするのがベストな手段では御座いますが、ご自身で電池交換をする際は無理の無い範囲で行うことを心掛けましょう。