腕時計を買おうと思うときあなたの決断のポイントはなんでしょうか?
デザイン・歴史・ブランド等、様々な判断基準があると思います。
今日のブログでは、時計の機能を動かしている「ムーブメント」について
解説します。腕時計を選ぶ楽しみがより一層増すと思いますので
是非読んでみて下さい。
●自動巻き時計とは?
時計のムーブメントには「クォーツ式」と「機械式」の二種類に大きく分類されますが、今回は機械式のムーブメントに分類される「自動巻き」について紹介します。
1777年、スイスのアブラアン・ルイ・ペルレは
世界で初めてゼンマイが自動的に巻き上がる機構を発明しました。
懐中時計という特性上あまり注目されず長くは普及しませんでした。
それから長い年月を経て腕時計が普及するようになってから、
1926年に世界初の腕時計がスイスのフォルティス社から発売されました。
【自動巻きの仕組み】
自動巻きの腕時計は、身に着けると腕の動きによって
自動的にゼンマイが巻き上がります。
一体どのような仕組みでゼンマイの巻きあげを行っているのでしょうか。
自動巻きの時計は「ローター」という板状の薄い振り子が
ムーブメントに内蔵されており、
そのローターが腕の動きによって左右に振られることで
ゼンマイが巻き上がります。
●自動巻き時計のメリット・デメリット
自動巻きの腕時計を選ぶ際にどんなメリットがあるかご紹介します。
【メリット①】
手巻き時計のように定期的にリューズを巻く必要が無く、
時刻のみでなくカレンダーやムーンフェイズといった機能が付いている場合には、都度調整する煩わしさが軽減できます。
ゼンマイが十分に巻き上がっている状態から完全に解けるまでの時間を
「パワーリザーブ」と言い、パワーリザーブが長い機能を備えている時計は、
止まるまでの時間が長い為、
毎日のように腕時計を身に着けない方にとっても便利です。
【メリット②】
身に着けている間、常にローターによってゼンマイを巻き上げているので、
時計の精度が一定に保たれやすい。
【メリット③】
どのブランドもバリエーションが多く選択肢の幅が広いです。
モデルによっては時計本体の裏蓋がサファイヤクリスタルになっており
ローターが時計の中で左右に動いて時計に動力を伝えている姿を鑑賞できる楽しみがある。
●自動巻き時計の正しい使用方法
お使いの自動巻き時計のパワーリザーブによって様々ですが、
定められたパワーリザーブの時間を超えて使用しないと
当然止まってしまいます。
自動巻き時計が止まってしまった場合は、
手巻き式の腕時計と同様にリューズ操作での巻き上げが可能です。
自動巻き時計の巻き上げをリューズで行う際には、
約30回程度巻き上げることで時計が安定して動き始めるので、
しっかり動き始めたことを確認してから時刻や日付等を合わせましょう。
また、直接時計本体を持って振ることによって巻き上げをすることも出来ます。その際は時計本体を落下させないようにしっかりと持ち、
中のローターを動かすイメージで振り動かします。
●定期的な巻き上げに便利な「ウォッチワインダー」
「ウォッチワインダー」とは時計を大切に保管しながら、
常に巻き上げた状態を保つ事が可能な機械のことで、
昨今はギフトやインテリアとしてお選びになる方も多くいらっしゃいます。
時計をウォッチワインダーにセットしておくだけで、
一定のタイミングでワインダーが縦横に動いてゼンマイの巻き上げを行ってくれるのでオススメです。
また、複雑機構を搭載した時計の保管にも便利です。
カミネでも様々な種類のワインダーを販売していますので、
詳しくは店頭にてご覧くださいませ。
●オススメの自動巻き時計紹介
初めて自動巻きの時計を購入される方も、既に複数本所有されている方も
一本持っておいて間違い無いオススメの自動巻き腕時計を
3本ご紹介させて頂きます。
【ブルガリ オクトフィニッシモ】
今年10周年を迎えた洗練された八角形(オクタゴン)フォルムが特徴の
オクトシリーズ。
オクトフィニッシモは自動巻きとは思えない薄型ムーブメントを搭載しており、軽く、すっきりと袖口に収まるので、ビジネスシーンでも快適です。
マイクロローターを搭載した美しいムーブメントは
シースルーバックから覗くことが出来ます。
腕時計の有名デザイナーであるジェラルド・ジェンタ氏も関わっており、
細部のディテールまで美しく仕上がっております。
【シャネル J12】
美しい光沢を持ち、傷に強く劣化しづらい高耐性セラミックのJ12。
シャネルのアイコニックモデルは老若男女問わず人気があります。
現時点で搭載されている自動巻きムーブメントは、
スイス公認クロノメーター検査協会(COSC)の認定を受けたムーブメント、
シャネルが資本参加するKENISSI製のキャリバー12.1又は小型化した
キャリバー12.2といった信頼性の高いムーブメントを搭載しています。
【カルティエ パシャ ドゥ カルティエ】
パシャは1930年にプールで遊んでいる時にも使える時計を製作されたのが始まりとされている時計です。
一度は生産終了になったものの独特なデザインと特徴的なリューズプロテクターが人気を博していた為、
2020年に待望の復刻を果たして今やカルティエウォッチの定番モデルとしてラインナップされております。
現行自動巻きモデルのムーブメントにはキャリバー1847MC、
クロノグラフ搭載のパシャには1904-CH MCが搭載されております。
●自動巻き時計という選択肢を…
腕を動かすことで時を刻む自動巻き時計。
機械式時計と言えば自動巻きが多く支持されますが、
やはりそれなりの魅力が沢山備わっています。
メンテナンスが必要であったり、気を付けなければいけない所があったりするのもまた「手が掛かる程に可愛い」と言うように使い込むほど愛着が増していきます。
近年SDGs(持続可能な開発目標)という言葉をよく耳にすると思いますが、
自動巻き時計は電池を必要とせず、
着けている人の動力で動くことから「究極のエコ」であり、
より良い将来を築く為にも一翼を担っていると言えるでしょう。