過去のブログでもご紹介したように、腕時計のベルトには沢山の種類があります。
今回は様々なベルトの調整方法についてご紹介します。是非ご自身のベルトサイズの調整の際に参考にしてみて下さい。
●ベルトサイズの測り方
お店で腕周りを測り、ベルトのサイズをご案内することは可能ですが、ここではご自宅で出来る簡単な方法をご紹介しますので参考にしてみて下さい。
①適当なサイズの紙を用意して幅1センチ程度取って真っすぐ折りましょう。
②折った線に沿ってカッターやハサミで真っすぐ切ります。
③帯状の紙が出来上がったら端にセロテープを貼り、それを手首のくるぶしより手のひら側にぴったり巻き付けます。
④一周して重なった所をセロテープで留めましょう。
⑤帯の始まりと重なった所に印を付け、端から印までの長さが腕回りサイズです。
●サイズ(コマ)の調整方法
サイズの調整方法はベルトの種類や構造によって様々ですが、適切な道具を使用してパーツに傷をつけない配慮が必要です。今回は一般的に多いドライバーを使って調整する「ねじ込み式」と、ピンを叩き出して調整する「ピン式」をご紹介します。
サイズ調整に必要な工具をご紹介します。
・ドライバー
・固定台
・ピン抜き棒
・ハンマー
・ピンセット
【ねじ込み式】
ベルトをネジ山が上に向く様に固定台に設置します。
ドライバーで反時計周りに回すことで緩めることができますので、ネジの頭が十分に出てきたらピンセットを使ってネジを取り出します。
サイズを小さくする時はもう片方の固定されているコマのネジを取り外す必要がありますが、サイズを大きくする際は片側のネジだけ外してコマを付け足します。
コマの付け外し作業が完了したら、繋ぎ合わせたことを確認して終了です。
【ピン式】
ねじ込み式と同様に固定台に固定します。ピン式の場合抜き差しの方向が決まっている割りピン式もありますので注意しましょう。
ピン抜き棒をピンの頭に当てて力加減を調整しながらハンマーで打ち出します。
ピンが抜けたら例に倣ってコマの付け足しを行い、完了したら繋ぎ合わせて終了です。
※注意点
ブレス調整の際にネジ山とドライバーの先端の形状や幅が違うと、
ネジ山を潰したりネジの頭を破断させたりしてしまう危険性があります。
ご自身で調整を試みる際は、ドライバーの「幅」「厚み」「深さ」の3点に注意して下さい。
●ベルトの交換方法
一般的な腕時計はほとんどの場合、時計本体とベルトを「バネ棒」という部品で固定しています。バネ棒は伸縮する突っ張り棒のような部品で、時計本体のベルトを取り付ける部分にある穴に固定してあります。
バネ棒を外すには工具が必要で、バネ棒外しという専用の工具がありますが他の工具で代用することも可能です。
【バネ棒の外し方】
工具でバネ棒の端に当ててバネを縮ませます。そのままゆっくりと外側にずらし、時計から取り外します。
【取り付け方】
最初にバネ棒の片側を時計のベルト取り付け穴に当て込み、バネ棒を縮ませてもう片側をはめ込んで完成です。
※落下防止の為にしっかりとバネ棒が穴にはまっているかを確認しましょう。
●適度なサイズ感
ベルトサイズの合わない腕時計では、ぴったりでも汗をかいた時や浮腫みが生じた際に不快感にも繋がりますし、余裕があり過ぎても生活の中で時計をぶつけてしまうリスクが高くなってしまいます。
ベルトと腕との隙間に人差し指の先がギリギリ入るくらいのサイズに調整すると快適に安心してご使用頂けると思います。
●ベルト交換が可能な場所
前述の通りベルト交換に必要な最低限の工具を揃えることが出来ればご自身で作業をすることは可能ですが、失敗してしまうと大切な腕時計に傷を付けたり破損に繋がる恐れもありますので、少しでも不安であれば時計店で作業してもらうのが良いでしょう。
カミネでは熟練の時計技師が常駐して作業させて頂いております。電池交換やベルト交換、コマ調整でお困りの際はお気軽にご来店下さい。
※カミネでは2022年10月現在、ベルト交換やコマ調整費用は\1,650(税込)で承っています。また、電池交換費用はブランドやケース素材によって異なりますので、詳しくはご愛用の腕時計をお持ちの上ご来店下さい。