今回のブログでは、今もっとも注目されているブランドの１つ
「パルミジャーニ・フルリエ」をご紹介します。

皆さんはパルミジャーニ・フルリエというブランドをご存知でしょうか？

店頭での肌感としては、2022年の始め頃はまだ知名度も高くなかった印象です。
来店されるお客様にご紹介してもご存知ない方も多く、かくいう私も入社するまでは知りませんでした。

そんなパルミジャーニの風向きが変わってきたのは2022年3月、4月くらいでしょうか？知らないというお声が多かったのが「聞いた事ある！」や「最近よく見るよ！（雑誌やSNS）」という声が増えてきました。特に４月新作発表後にグッと知名度が上がった印象です。今では手に入れるのに少し時間をいただくほどの人気ぶり。しかし歴史的にも他の有名ブランドに比べるとまだまだ浅く、どの様なブランドか知らない方も多いと思いますので少しご説明させて頂きます。

スイスのフルリエという地で、“神の手を持つ”と言われるミシェル・パルミジャーニが創業した「パルミジャーニ・フルリエ」というブランド。

天才時計師と呼ばれ、修復師でもあるパルミジャーニが最も大切にしていることはどのグループにも属さないという“独立性”です。腕時計の製作における全ての工程を自社でおこなうマニュファクチュールの体制をとりながら、大胆で斬新な創造の自由を重要視しています。

クォーツ式の腕時計が登場したことにより、機械式時計の生産が危機的な状況に陥っていた1976年。ミシェル・パルミジャーニは周囲の反対を押し切り、スイスのクーヴェという場所に時計工房を構えます。ここでは主に、古い時計の修復と複雑な機構を備えた時計の製作をおこなっていました。大きく風向きが変わったのは1978年。パテック フィリップ博物館とデ モン博物館に所蔵されていた貴重な時計の修復に成功したことによって、パルミジャーニは才能ある時計師として高い評価を得ることができました。そして「パルミジャーニ・フルリエ」が設立された1996年から現在までの間、最も複雑で精密な時計を自社ブランドで製造し続けてきたのです。その間に製作されたムーブメントの数は約30以上とも言われ、圧倒的な技術力で事業の規模を急速に拡大させていきました。

まずは、今１番ホットな「パルミジャーニ・フルリエ」の情報から。

先日、ジュネーブで開催されたジュネーブウォッチグランプリ（GPHG）で、パルミジャーニは5部門5本のノミネートを果たしました！(5部門とは…メンズ、クロノグラフ、トゥールビヨン、レディース、メンズコンプリケーション)

そのうちの１つは何とグランプリ！

見事レディース部門でグランプリを獲得した時計がこちらです！

2022年の新作として発表された上記モデル。後程ご紹介する既存のトンダPFシリーズのデザインコードはそのままに、新たな自社製ムーブメントを搭載することで小型腕時計へのニーズに応えたモデルです。GPHGではレディース部門での受賞ですが、ユニセックスでお楽しみいただくことができます。

パルミジャーニ・フルリエが先代モデルで確立させたこのミニマルなギヨシェ文字盤は「バーリーコーン」と呼ばれる麦の穂模様がしっかりと受け継がれており、ダイヤルを織物と捉えるメゾンの精神を象徴する仕様といえます。プラチナベゼルを持つステンレススティールモデルとこちらのローズゴールドの2型があり、文字盤のカラーはステンレススティールモデルには「シルバーサンド」と「ウォームグレー」、ローズゴールドモデルには「ディープルビー」の展開。どれも控えめな色調ながら、手元にエレガンスを演出してくれる上品なたたずまいです。

もう1つ、最新のパルミジャーニのトピックスをご紹介！ 歴代最長の英国君主として在位70年を誇るエリザベス女王が、国民に深く敬愛され続けた生涯に幕を閉じ、2022年9月10日にチャールズ3世新国王が即位したことは、今年の大きなニュースでもありました。そのチャールズ3世がロンドンのセント・ジェイムズ宮殿で国王即位を布告する歴史的瞬間を迎えるにあたって、身に着けていた時計こそ、“パルミジャーニ・フルリエ”の時計。チャールズ3世は、2000年代前半スイスでこの時計を購入したといわれております。お洒落で有名なチャールズ３世国王がパルミジャーニを使用しているとなると、気になり始める方も多いのではないでしょうか？

そんなパルミジャーニ・フルリエの代表的なシリーズともいえる「THE TONDA COLLECTION」から、注目すべき時計をいくつかご紹介します。

トンダとは、イタリア語で“円”を意味します。これはルネッサンス期の画家が使用した円形のキャンバス“トンド”から由来する言葉でもあり、「自らが立ち上げたブランドの美学をさまざまな角度から描き出すための場所」としての意味を含んで名付けられました。

そのトンダコレクションの中で、話題となっているのが「トンダGT」と「トンダPF」のシリーズ。トンダGTのデザインを手掛けたのはディノ・モドロという人物で、ヴァシュロン・コンスタンタンの初代「オーヴァーシーズ」やコルムの「ゴールデンブリッジ」を手掛けた名デザイナーです。エレガントなドレスウォッチのイメージが強かったパルミジャーニ・フルリエですが、アクティブなシーンでも着用できる新しいモデルとして“トンダシリーズ”を発表しました。それらを更に一新したとされるトンダPFは、インデックスがあえて短く設定されていることで視認性が確保され、全体的にシンプルで洗練された文字盤になっているのが特徴です。

ケース径が40mmと着用しやすいサイズ感であることに加え、厚みを7.8mmまで抑えて実用性も兼ね備えたトンダPFマイクロローター。ビジネスシーンでもスーツの袖口に収まりやすい快適な着け心地と、ブランド名や数字などを省いた究極にシンプルなデザインが最大の特徴です。ウォームグレーの落ち着いた色味は気品を感じさせ、マットな質感ながらギョーシェ彫りが施されたダイヤルは、どの角度から見ても美しいモデルです。

こちらの時計は、3時と9時の位置にクロノグラフカウンター、6時の位置にスモールセコンドが設置されています。外装においても繊細な仕上げが施されており、プッシュボタンはラグのシルエットに馴染む滑らかな曲線を描いています。また、高振動の自社製コラムホイールムーブメントを使用しており、22金のローズゴールドのローターはこのモデルのために新たに開発されました。複雑機構を搭載していながらもケースの厚みは12.4mmと非常に薄く、ブランドの技術力の高さが存分に発揮されたモデルであるといえます。

トンダシリーズに新たなバリエーションとして追加されたトンダグラフGTは、これまでのラグジュアリーなデザインに、よりスポーティーな雰囲気を兼ね備えたモデルです。ダイヤルのギヨシェ彫りとリンクするモチーフを施したラバーは、日常使いしやすいカジュアルな印象を与えます。同じダイヤルのデザインでステンレススティール製のブレスレットモデルはアニュアルカレンダーを備えています。

こちらは、2022年に発表された新作で、トンダＰＦ初のレザーストラップモデル。ムーブメントは上記でご紹介したステンレスブレスと同じものを搭載しています。ダイヤルとアリゲーターストラップのカラーコントラストは、コンテンポラリー・クラシシズムを追求するメゾンのテイストを表しており、上記のブレスタイプのトンダＰＦと重要な点は共通しながら、まぎれもなく異なるモデルです。パルミジャーニのアリゲーターストラップは、エルメス製であることが多いですが、こちらのモデルはさまざまな有名ブランドのOEMも手掛けるスイスのレザーマニファクチュールで製造されたものです。

今回はパルミジャーニ・フルリエの歴史やモデルについて書かせていただきましたが、いかがだったでしょうか？今回ご紹介させていただいたのはほんの一部分で、知れば知るほど奥深く魅力的なブランドです。

是非店頭で実機を見にいらして下さい！