時計業界のチャリティーオークション「オンリーウォッチ」。
指定難病の一つである、筋ジストロフィーの治療研究に賛同し、世界に1本しか存在しないユニークピースを製作するという企画。2年に一度開催され、今年で10回目を迎えることになり、2023年11月5日午後2時(日本時間で午後10時)にジュネーブで開催予定です。
ONLY WATCH 2023公式サイト
https://www.onlywatch.com/
通常のオークションはだれかの所有物が出品されますが、オンリーウォッチは、各ブランドがオンリーウォッチのために特別に製作した世界でただ1本の時計が出品されます。
前回2021年のオンリーウォッチには約50ブランドが参加しましたが、今年はそれを超える62ブランドが参加。
パテック フィリップやオーデマ ピゲをはじめ、リシャール・ミル、ブレゲ、ウブロ、ブルガリなどカミネで取扱うブランドも多数参加しています。
今、時計業界で最も話題を集めている オンリーウォッチ。
各ブランドより続々と発表されているユニークピースを見ていきましょう。
最も目を引くビジュアルはこの時計ではないでしょうか。
ウブロ 「MP-15 タカシムラカミ トゥールビヨン オンリーウォッチ」
限定モデルの中でも、最も入手困難である村上 隆氏とのコラボレーションモデルが遂にオンリーウォッチに登場。
ウブロ初のセンタートゥールビヨン。その周囲を取り囲む2枚の花びらにセッティングされた宝石は444個!
ウブロの「異なる素材やアイデアの融合」というコンセプトを体現しています。
落札予想価格 CHF 350,000 – 400,000(日本円55,967,580~63,962,948)
続いて、2021年のオンリーウォッチで、稀少金属(レアメタル)「タンタル」を用いたオクトフィニッシモを製作したブルガリが今年も面白い素材使いを見せてくれました。
ブルガリ「オクト フィニッシモ トゥールビヨン マーブル」
今回使用したのは、なんと「大理石(マーブル)」!
ブランドが創設されたローマの古代建築に、大理石が使用されていたことにインスパイアされて製作されました。
文字盤、ケースはもちろんですが、なんといってもハイライトはブレスレット。大理石を腕に巻くなんて発想は過去にあったのでしょうか。
ブレスレットリンクのひとつひとつも大理石で作られているため、完成するまでになんと190時間もかかったそうです。
ものすごく手間がかかっていますね。
落札予想価格 CHF 150,000 – 250,000(日本円23,986,105~39,976,842)
ブランド独自でチャリティーオークションを開催している
リシャール・ミルからは、まさかのネックレスウォッチ!
「TALISMAN ORIGINE」
ネックレスには、ロードナイト、大理石、バインウッド。
ケースには、ロードナイト、チタン、ゴールドが使われています。
現在はイラストのみしか出ていませんが、実機画像が楽しみです。
落札予想価格 CHF 600,000 – 800,000(日本円95,944,422~127,925,897)
続いて、6/10の時の記念日にカミネブログで紹介しました、
プラネタリウムウォッチとのコラボレーション
明日、6月10日は「時の記念日」。 | PRブログ | 神戶三宮 正規時計宝飾店カミネ (kamine.co.jp)
フレデリック・コンスタント×クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウ
「トゥールビヨンプラネタリウム オンリーウォッチ2023」
クリスティアン・ヴァン・デル・クラーウのCEO、ピコ・コースラグ氏が
フレデリック・コンスタントでキャリアをスタートさせたことがきっかけのコラボレーション。
惑星の太陽軌道をリアルタイムで表示し、土星は29年で1周。
これまでに製造された機械式時計の中でもっともゆっくりと動くパーツであると言われています。
落札予想価格 CHF 90,000 – 110,000(日本円14,391,663~17,589,810)
今回のオンリーウォッチはカラフル・レインボーカラーがテーマカラーとされています。
時計業界も関心の高いSDGsや、日本でもよく耳にするようになったLGBTの社会運動を象徴するカラーで、多様性を表現するのみでなく、人々を明るい気持ちにさせてくれます。
数あるレインボーカラーウォッチの中から1本ご紹介します。
ジェイコブ×コンセプトウォッチファクトリー
「アストロノミア レボリューション 4thディメンション」
トパーズ、サファイア、シトリン、数種類のガーネットなど35種類もの宝石がステンドグラスのように敷き詰められています。
ムーブメントは世界初の4軸トゥールビヨン。
時計としても、宝石としても素晴らしい作品です。
落札予想価格 CHF 700,000 – 750,000(日本円111,935,160~119,930,528)
ここからは各ブランドがオンリーウォッチのために製作した特別な素材・カラーの時計たちです。
オーデマ ピゲ
「ロイヤル オーク セルフワインディング フライング トゥールビヨン オープンワーク オンリーウォッチ エディション」
とんでもなく長い名前ですね…!
昨年、ロイヤル オーク50周年の記念で登場したモデルのマイナーチェンジというイメージ。ホワイトセラミックケースに、ブルーの地板とブリッジ、インナーベゼルで彩られています。
落札予想価格 CHF 300,000 – 350,000(日本円47,972,211~55,967,580)
ブレゲ
「マリーン オーラムンディ5555」
大陸のプレートに施されたローズゴールドのドットは、「明かりの絶えない 眠らない地球」をイメージさせます。
落札予想価格 CHF 70,000 – 80,000(日本円11,193,516~12,792,589)
ローランフェリエ
「スポーツオート“オントラック”」
ルマンの総合準優勝を果たしたローランフェリエ氏が拘る「スポーツオート」シリーズから出品されました。
“レース中に着用できる理想的なタイムピースを創る”という想いから開発されたスポーツオート。
アスファルトをイメージした文字盤と、イエローとブルーを交互に配したトラックパターンが、レース場のカーブを区切るスピードバンクを想起させます。
落札予想価格 CHF 55,000 – 85,000(日本円8,794,905~13,592,126)
クレヨン
「クレヨン エニィウェア オンリーウォッチ2023」
テオ・ファン・レイセルベルヘの点描画「ブローニュ=シュル=メールの月光」
にインスパイアされて製作されました。
筆と絵具で描かれた「文字盤のキャンバス」
落札予想価格 CHF 150,000 – 250,000(日本円23,986,105~39,976,842)
そして最後はもちろんパテック フィリップ。
先日まで開催されていた「ウォッチアート グランドエキシビション」
皆さんはご覧になりましたか?
数々のタイムピースを生み出してきたパテック フィリップの出品時計は・・・
2023年7月8日現在、まだ発表されていません!
「フィリップ・スターンへのオマージュウォッチ」とだけ発表されていますが、
どんな時計になるか楽しみですね。
オンリーウォッチに出品される時計は9月から11月にかけて世界中を回り、2023年11月5日の午後2時にジュネーブにてオークションが行われます。
実際にいくらで落札されるのか、ワクワクしながら開催を待ちたいと思います。
今回の実際の落札価格や、パテック フィリップの出品時計、過去のオンリーウォッチに出品された逸品の紹介など、またどこかで記事にしたいと思います。