18世紀の科学者、技術者は様々な研究を行い、検証を重ねましたが
現在物理学の法則から、永久機関は存在しないと言われております。
しかしながら、その研究の元、物理学を含め様々な分野が大きく発展してきました。
現在ジャガールクルトのアトモスは、
時計において最も永久機関に近いと言われている置き時計になります。
アトモスは1928年ヌーシャテルに生まれの放射線技師ロイターがプロトタイプを発表。電池も電気も、定期的な巻上げも必要とせず動き続けるものでした。
※プロトタイプ
動力の源は気温差。
アトモスにはガスを密封したカプセルがあり、
このカプセルの中のガスの体積が、わずかな温度変化によって変化します。
カプセルは膜によって時計の駆動ゼンマイに接続されており
膜がアコーディオンの蛇腹のように「呼吸」して膨張・収縮し、ゼンマイを巻き上げます。
気温がわずか1度変わるだけで、置時計は48時間分の動力を得ることができるので、半永久機関と言われております。
このシステムは非常に優秀ながら、ごくわずかな動力しか作ることが出来ないため、ムーブメントも一般的な腕時計のエネルギーの40分の1に抑える必要性がありました。
ロイター氏はプロトタイプの2年後にアトモス1の製品化を行うのですが、技術的な問題がありすぐに中断することになりました。
※アトモス1
そんな時偶然ながら、街でアトモスを見かけ
独創性のあるそのメカニズムに魅せられ、それを購入したのが
ジャガールクルトの創業者アントワーヌ・ルクルトの孫であった
ジャック・ダヴィド・ルクルトでした。
彼はロイターのコンセプトは優れているものの、メカニズムに問題があることをすぐに理解し、その問題はルクルト社の時計製造技術で克服できるだろうと考えました。
ここからロイターとルクルトがプロジェクトを参画。ムーブメントを根本的に改良し
1939年、ジャガー・ルクルトは、新しいキャリバー519の完成させ
「アトモスII」の製品化を開始することになります。
アトモスは瞬く間に成功を収め、1950年にはスイス連邦の公式贈呈品として選ばれ
大統領やローマ法王、著名な俳優がスイスを公式訪問する際には、必ずと言っていいほどアトモスが1台贈られていました。
当時の大統領執務室の写真を見ると、背景のどこかにアトモスが写っていることが多く、アトモスは”大統領の時計”と呼ばれるようになりました。
アトモスはエネルギーの生成量が極めて少ないため、
別の機能を作動させるための動力は十分にはありませんでしたが、
エネルギー消費を限りなくゼロに近くすることで他の機能の付加が可能となり
1990年代の終わりに初めてムーンフェイズ機能のあるアトモスを開発。
その後様々なコンプリケーションを生み出し、現在も進化し続けております。
アトモスのムーブメントはすべて、マニュファクチュールにて開発、製造が行われ、アトモス専用工房にて手作業で組立が行われています。
アトモスのメカニズムは、5週間にもわたってテスト、および調整が行われ、完成品ひとつを製造するのに8~10カ月を必要とします。
是非一度店頭にて希少なアトモスのゆったりとした動きをご確認下さい。
アトモス・クロックコレクション
トランスパラント
ガラス, 寸法(長さ×厚さ×幅):250mm × 185mm × 145mm
ジャガー・ルクルト製キャリバー563
パワーリザーブ: 7920 hours
¥ 2,266,000(税込)
ジャガー・ルクルト正規取扱店
カミネ 旧居留地店
〒650-0036
神戸市中央区播磨町49 旧居留地平和ビル1F
078-325-0088
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