昨年より延期となっていたオンリーウォッチが5月11日に開催されました！

52のブランドから47本の、オンリーウォッチのためだけに制作された時計が集められ行われた今回のオンリーウォッチオークションの収益は、およそ2830万スイスフラン。

日本円でなんと48億円です。
資金はすべて指定難病の一つである、デュシェンヌ型筋ジストロフィー（DMD）の治療研究のために寄付されます。

当日にクリスティーズのウェブサイトをチェックしていましたが、恐らくオークション終了までダウンしており、電話か会場でのオークションになるというトラブルがあったものの、前回とほぼ同額の売上だったこと注目度の高さを伺えます。

世界に1本のみの時計。
世界中のコレクターが注目したオークションの結果をご報告します！

最初はこちら。
2023年のブログでも最初に取り上げました。

ウブロ　MP-15 村上隆 トゥールビヨン オンリーウォッチ

ポップアートと、オートオルロジェリーの融合。
ウブロのブランド哲学、まさに「アート・オブ・フュージョン」ですね。

この時計のために開発された、ウブロ初のセンタートゥールビヨンムーブメントを搭載。

42万スイスフラン、日本円で約7200万円で落札となりました。

リシャール・ミル　RM-S14

発表された当時は、まさかネックレスウォッチを作るなんてと驚きましたが、思い返せば、

グラミー賞でのテイラースウィフトや、

パリ・ファッションウィークのリアーナなど、ネックレスウォッチはトレンドだったかもしれませんね。

リシャール・ミル RM S14のケース形状や装飾の入れ方が部族・民族的なデザインによくマッチしています。

落札価格は238万スイスフラン、落札予想の60万～80万スイスフランを大きく上回り、日本円で約4億円。リシャール・ミルの勢いは衰えませんね。

ファーラン・マリ　セキュラーパーペチュアルカレンダー

つい先日、日本でローンチされた、ルノー・ティシエ 。

複雑時計工房ルノー・エ・パピの共同設立者ドミニク・ルノーと若き天才時計師ジュリアン・ティシエがタッグを組んだ、今後注目の独立系メゾンです。

ファーラン・マリのこの時計ははルノー・ティシエの二人とのコラボレーションによって生まれました。

セキュラーパーペチュアルカレンダーを理解するには、うるう年の仕組みを理解する必要があります。

簡単にお伝えすると、うるう年は4年に１度訪れますが、例外として、その年が100で割り切れて400で割り切れない年はうるう年ではなくなります。

例えば2100年、2200年、2300年はうるう年に見えて、うるう年ではないわけです。通常の永久カレンダーはうるう年と判断してしまいますが、その年の3月1日にはカレンダーの調整が必要になってしまいます。

セキュラーパーペチュアルカレンダーとは、この誤差まで判別し、400年周期でうるう年以外の年を正確に表示する複雑機構です。

いくつかのブランドがこの複雑機構を開発してきましたが、ほとんどが何百という部品を必要としていたのに対し、ファーラン・マリはたった25個の部品でこれを成し遂げました。

複雑なものをシンプルに形にする。最も難しいことをドミニク・ルノーとジュリアン・ティシエは行ったのです。

彼らのブランド「ルノー・ティシエ」の期待感が高まりますね。

落札価格は13万スイスフラン　日本円で約2200万円での落札となりました。

W＆W2024で運よく実物を見ることができたのが、
KRAYON ANYWHERE ONLY WATCH 2023

ベルギーの画家テオ・ファン・レイセルベルヘの点描画をモチーフに制作されました。

点描画のように非常に繊細なタッチと、様々な色調の青で塗り重ねられた文字盤表現はまさにメティエダールです。

実物を見た際も、絵具を重ねたような立体感や光の反射が見て取れましたが、文字盤と針とのクリアランスは1mm以下。

その中で立体感を出すのは至難の業ではないでしょうか。塗料も、それを塗る技術も超一流です。

44万スイスフラン、日本円で約7500万円での落札でした。

2017年の最初の時計を発表してから、わずか7年で素晴らしい評価を受けているブランドです。

最後にご紹介するのは パテック フィリップ　6301A-010　

グランド＆プチ・ソヌリ・ミニッツリピーターのステンレススチールモデルです。

前回2021年のオンリーウォッチでの最高額はパテック フィリップの950万スイスフラン。当時のレートで約11億7000万、2021年の最高額でした。

今回はなんとその倍以上となる1570万スイスフラン、日本円で約26億8000万円。前回の倍以上の落札価格です。どんな方が買われたんでしょう…

今回ご紹介できなかったブランドからもユニークで、ワクワクするような時計が多く発表されました。

ローラン・フェリエ の「スポーツ・オート・オン・トラック」はまた別の記事でご紹介しますね。

特に独立系のブランドの注目度が高く、またブランド側も注目を集める場、新しいアイデアを発表する絶好の機会となっていると思います。

次回以降もオンリーウォッチを継続し、デュシェンヌ型筋ジストロフィー（DMD）の治療研究を推し進めてほしいと思います。

ローラン・フェリエや、クレヨンはエスパス ド カミネで取り扱っており、ぜひ一度お店にお越しくださいませ。

エスパス ド カミネ
兵庫県神戸市中央区播磨町46 ニッケ播磨町ビル
10時30分～19時30分（水曜定休）
TEL 078-325-3600
https://www.kamine.co.jp/shop/lespace/

LAURENT FERRIER – ローラン・フェリエ ウォッチコレクション
https://www.kamine.co.jp/watch/laurent-ferrier/

KRAYON – クレヨン ウォッチコレクション
https://www.kamine.co.jp/watch/krayon/