この角(ツノ)のような機構、何だかお分かりですか?
幻のパテック フィリップ・ノーチラス3710/1A 通称 “ジャンボ”と呼ばれる今では大変珍しい 過去の名作と呼ばれる時計です。
ノーチラス3710/1A
1998年~2005年の期間に若干数 生産されたノーチラスです。このモデルは、1976年に発表されたファーストモデル3700/1Aと同じ大きさであったため、俗にジャンボと呼ばれていました。(当時販売されていたSSの3針モデル3800/1Aは一回り小さかったのです)
12時の下にワインディング・ゲージ(巻上げ状態表示)が配されている事がデザイン的にも機能的にも大きな特徴です。
通常この12時の下の位置にはPATEK PHILIPPE GENEVEのロゴが入りますが、このモデルではロゴが6時の上に移行され、機構表示が12時下に搭載されました。パテック フィリップが開発し、1997年に特許を取得したにもかかわらず、このワインディング・ゲージを搭載したモデルがこれ以降出ていない事も稀少性を高めています。
このワインディング・ゲージは一見すると小さめのパワーリザーブ表示のようですが、それは香箱の中のゼンマイが どの程度巻かれた状態にあるかを表示するのに加えて、時計の精度を安定したトルクで保てる状態にあるかを表示するトルクインジケーターでもあるのです。
ワインディング・ゲージの針が角(ツノ)の形をした部分の先端の尖った部分にかかると、トルクが時計を駆動させるに不充分という表示です。
角(ツノ)の一番太い所に針がくるとゼンマイがほどけきって時計が止まる状態です。
つまり、写真は時計が静止している状態を示しています
今ではよく見かけるゼンマイの残量を示すパワーリザーブ機構ですが、パテック フィリップ社が開発したこの当時はあまり見かけない難しい機構であったと言えるでしょう。
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