Patek Philippe Floorブログ

パテック フィリップ、少数派のゴンドーロ・コレクションその由来と系譜について

2013年に発表され2018年に生産終了となったこの5200Gモデルは、
8日間というロングパワーリザーブを最大の特徴としています。
また6時位置に配された日付けと曜日の表示が、
夜中の12時に瞬時(0.003秒)に切り替わるインスタンティニアスである事も
特筆すべき点です。

ゴンドーロはラウンド型以外のコレクションの総名称です。
ただ、ノーチラス、アクアノート、ゴールデン・エリプス、Twenty∼4は
それぞれ名称がありますので、これには含まれません。

ゴンドーロは、1902年から1927年にかけてパテック フィリップが
ブラジルの高級時計宝飾店ゴンドーロ&ラブリオ社のために
特別に製作した《クロノメトロ・ゴンドーロ》と名付けられた
多数のモデルからその名を得ています。

このモデルのルーツは、
西暦2000年に新しいミレニアムの到来を記念し限定生産された
《10-DAY》5100モデルまで遡る事が出来ます。
5100モデルは香箱を2つ組み込んだ角形のムーブメントを搭載し、
10日間のパワーリザーブを実現するという当時としては画期的なものでした。

また2003年には、この5100のムーブメントをベースに
トゥールビヨン機構が搭載された《10days トゥールビヨン》5101モデルも
発表されています。
このムーブメントは、サファイヤクリスタル・バックを通して
トゥールビヨン機構を心ゆくまで鑑賞することができるよう、
計時輪列が文字盤側に移されています。

5200が搭載するムーブメントも、
これらのムーブメントをベースとしているのですが、
パワーリザーブが2日分短くなっているのは、
日付けと曜日を8日間に渡り瞬時に切り替えるインスタンティニアスで
エネルギーを消費するためです。

この過去の名作ムーブメントを系譜に持つ唯一のモデルで有り、
また現行品にはメンズのゴンドーロが全くありませんので、
5200Gは非常に希少なモデルと言えるでしょう。

≪SHOP INFO≫

カミネトアロード店2F パテック フィリップ・フロア

»»» https://www.kamine.co.jp/shop/torroad2/

TEL:078-321-0039 営業時間10:30~19:30

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COLUMNコラム

篠田哲生

最高峰の時計ブランド「パテック フィリップ」の魅力とは何だろうか?
数々の仕事を通じてこのブランドに出会い、魅了され、遂にはユーザーとなったライター、ウォッチディレクターの篠田哲生氏が、自身の目と経験から感じた、"パテック フィリップのこと"について語る。

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